9話 私の親友 ページ10
Aside
私には大事な親友が居た
自由で、危なっかしくて、ちょっと我儘で…
でも、
明るくて、優しくて、前向きで…
そんなマリが大好きだったんだ
―――――――――――――――――
マリ「A!」
「うわっ!びっくりしたじゃん!」
マリ「えへへ、ごめんねっ…あら、今日、教室の日じゃなかったかしら?」
「今日は休み!マリは?今日、歌の先生のとこ行くんじゃなかったっけ?」
マリ「来週に変更になったわ」
「そっか、じゃあ、今日は一緒に帰ろう!」
私はトランペット、マリは歌
音楽も一緒に始めたんだっけ
「最近、作詞してる?」
マリ「ちゃんとしてるわよ」
「おっじゃあ出来たら見せてね!作曲は任せてよ!」
マリ「…いや、今回は作曲まで自分でしてみたいの」
「えっ…どうして?」
マリ「特に理由があるわけじゃないの、ただ、この曲だけは私が全部作りたい…勿論、完成したらちゃんと聞いてもらうわよ?」
「もっちろん!楽しみにしてるね!ちなみに曲名は?」
マリ「…New winding road」
「にゅー、わい…?」
マリ「ふふ、楽しみにしててっ」
私はマリの事が好きだ
恋愛的な意味で
同性だし、最初は戸惑ったけど
本当に大好きだから
中学3年のとある冬の日
自分の想いを伝えようとしたんだ
プルルル…
「もしもし、今から会える?」
マリ「今から?大丈夫だけれど、急にどうしたの?」
「あ、いや、ちょっと聞いて欲しいことがあって」
マリ「…?あっ、そういえば曲、出来たのよ!持っていくわね!」
「お!早く聞きたいな!」
マリ「OK!じゃあ、すぐに行くわね! 」
「うん、じゃあ後でねっ」
小さい時からずっと一緒だった
これからもずっと一緒だと思ってた
でも、
ドォォン
あなたは突然、私の前から消えた
よそ見運転のトラックとの事故だった
マリの鞄の中には楽譜が何枚か入っていた
New winding road
そう書かれていた
私の…せいだ…
私があの時、マリを呼ばなければ
こんな事にはならなかったかもしれないのに…
「マリっ!マリィ!!」
「マリ…どうして、こんな事に…」
マリのお母さんとお父さん…
ごめんなさい…ごめんなさい…
マリは…
私の親友は…
私の好きな人は…
私が…
殺したんだ
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天霧(プロフ) - とても好きです。続き気になります。更新待ってます! (2022年6月13日 16時) (レス) @page42 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
湖南(プロフ) - 続きが気になります...!頑張ってください (2019年11月3日 10時) (レス) id: 9b8accfd92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うどんや | 作成日時:2019年6月2日 15時