4話 とらんぺっと? ページ5
Aside
チュンチュン チュンチュン
小鳥の囀りと眩しい朝日で目が覚める。
「ん、んぅ?………あぁ!!遅刻!!…って、あ、そっか…」
(ここは、私の居た世界じゃないんだった…)
「とりあえず起きよう…」
階段を下がり、1階に降りる。
志満さんと美渡さんが食堂にいるのが見えた。
「おはようございます!」
美渡「おーおはよー」
志満「おはようAちゃん、ゆっくり寝られた?」
「はい!ご迷惑をかけて本当にごめんなさい…」
志満「何言ってるの、ここは旅館よ?困っているお客様を助けるのは当たり前だわ」
そう言って志満さんと美渡さんは優しく笑った。
「…ありがとう、ございます…!」
そんな2人があまりにも暖かくて泣きそうになる。
「そう言えば千歌ちゃんは…?」
美渡「あー、ちょっと森に行ってくるって言ってたけど…」
千歌「ただいまー!!!」
志満「あら、噂をすれば、おかえり千歌ちゃん」
千歌「ねぇ!昨日Aちゃんがいた所に、何かAちゃんが帰れるヒントがないかなって思って行ってみたらこれが落ちてたんだけど、これってAちゃんの!?」
千歌ちゃんが持っていたのは見覚えのある茶色い楽器ケースだった
「っ!それって!!」
急いでケースを開ける
そこには金色に輝くトランペットが綺麗に入っていた。
「私の、トランペット…!」
千歌「とらんぺっと!?何それ!?」
美渡「すっごいキラキラ…」
志満「楽器…かしら?」
「あ、えっと…トランペットっていう楽器で、小さい頃から吹いてたんです」
千歌「すごい!Aちゃんこれ吹けるの!?聞きたい!!」
「え!?あ、うん、ちょっとチューニングするからまってね、」
千歌「ちゅーにんぐ?」
「えっと、調律して、音程を正しくするの」
美渡「調律?」
志満「音程?」
「あ、あはは」
チューニングのために軽く音を出す
「…よし、こんな感じかな…じゃあ、なんか1曲吹くね」
千歌「おぉ!!」
千歌ちゃんが凄いキラキラした目で見てくる
(なんか緊張するな…)
「フゥ…スッ」
•*¨*•.¸¸♬
久しぶりに感じる音楽は何だか懐かしくて、不思議な気持ちになった。
同時に元の世界のことを思い出した。
テスト近いのに大丈夫かな…
急に休んで、先生怒ってるかな…
お母さんとお父さん、きっと心配してる…
皆に会いたいな…
_______マリに、会いたいな
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天霧(プロフ) - とても好きです。続き気になります。更新待ってます! (2022年6月13日 16時) (レス) @page42 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
湖南(プロフ) - 続きが気になります...!頑張ってください (2019年11月3日 10時) (レス) id: 9b8accfd92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うどんや | 作成日時:2019年6月2日 15時