34話 大切な親友を ページ35
鞠莉side
鞠莉「はぁ…はぁ…」
居ない…居ない…ここにも居ない
鞠莉「もうっ…どこに行ったのよ…A…!」
あんな状態で飛び出して行って
どこかで倒れているんじゃないか
もしかして1人でもう帰ってしまったんじゃないか
考えれば考えるほど、
どうしようもない不安感が私を襲った
この時間、列車はもうでていないから
隣町というのは考えにくい…
十千万にもホテルにも居なかった
となると、あと可能性があるのは…
鞠莉「…森」
しかし、あたりはもう暗くなり始めていた
入るのはあまりにも危険過ぎる
でも
鞠莉「A…」
少しでも、Aが居る可能性があるなら
進む以外の選択肢はない
森の奥へと入っていく
鞠莉「痛っ…」
薄暗く足元もよく見えないため
枝や草が掠ってしまう
それでも前に進むしかない
鞠莉「…どうしてよ…」
しかし、そこにもAの姿はなかった
鞠莉「ほんとに…どこに行っちゃったのよ…」
暗い森にただ1人
心細さや不安から
じわじわと涙が滲み、視界がぼやける
鞠莉「…もう…会えないの…?」
諦めかけた…その時だった
??「諦めないで」
鞠莉「っ!?」
不意に誰かの声がした
鞠莉「だ、誰!?って…え!?な、何!?」
一瞬にしてそこは、さっきまで居た森から
美しい花畑へと変わっていた
??「初めまして…鞠莉」
鞠莉「どうして私の名前を…って…はっ!?」
驚いた
その声の主が姿を現したと思ったら
自分と全く同じ容姿だったから
鞠莉「あ、あなたもしかして…マリ…さん…?」
マリ「えぇ、その通り」
鞠莉「いや、そうだとしても…あなたはもう…ここ、もしかして…天国…!?」
マリ「いいや、天国でも現世でもない…狭間の世界」
鞠莉「…何故私はここにいるの?」
マリ「あなた、Aを探すの、一瞬諦めそうになったでしょ?それが見ていられなくてね」
鞠莉「あっ…そ、そうよ!私…Aを探して!…でも、どこにも居なくて…」
マリ「…Aなら、あの場所に居るわよ」
鞠莉「あの場所…?」
マリ「あなたと行った花畑…そこにあの子は居るわ」
鞠莉「花…畑」
マリ「でも、時間がない」
鞠莉「え…」
マリ「この世界ももうすぐ壊れる…早く行って…これは、貴女にしかできない事…どうか、Aを…私の大切な親友を…助けて」
鞠莉「…えぇ、必ず…1人になんてさせないわ」
マリ「ありがとう」
A…今行くから
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天霧(プロフ) - とても好きです。続き気になります。更新待ってます! (2022年6月13日 16時) (レス) @page42 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
湖南(プロフ) - 続きが気になります...!頑張ってください (2019年11月3日 10時) (レス) id: 9b8accfd92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うどんや | 作成日時:2019年6月2日 15時