22話 いつも通り ページ23
鞠莉side
鞠莉「こんにちは、A」
いつも通り、Aの病室を訪れる
鞠莉「今日はね…ほら！綺麗なお花でしょ？ここに飾っておくわね〜」
いつも通り、古なって枯れ落ちた花を交換する
鞠莉「…今日はこれからは、お祭りのリハーサルがあるのよ〜もう後１週間だからね！屋台の準備とか、もう始まってるのよ！」
いつも通り、貴女に語りかける
鞠莉「…っ…だから…早く一緒に行きましょ…？」
いつも通り、貴女は何も答えてくれない
あの事故から2ヶ月
奇跡的に山は乗り越え
Aは回復の方向に向かっていた
維持装置も取れ、事故による後遺症も見当たらない
後は目を覚ますのを待つだけ
…なのに
鞠莉「…本当に、お寝坊さんね…」
Aは未だに目を覚ましていない
鞠莉「皆、貴女の帰りを待っているわよ…曲だって出来て、ダンスも完璧…ステージだってとっても素敵なのよ？」
そっとAの手を握る…握り返される事はない
ふと、考えてしまう
Aはこのまま、目を覚まさないんじゃないか…
そのまま…遠くに逝ってしまうんじゃないか…と
それでも、私達は信じて待つことしか出来ない
変われるものなら、変わりたい…
元々は私が事故にあっていたはずなのだから…
鞠莉「…ねぇ…早く…帰ってきてよ…私の事…支えてくれるって言ったじゃない…！」
機械の音が静かに鳴る無機質な病室に
私の涙声が響く
鞠莉「置いて行かないで…！一緒にいてよ…！ねぇ…A…」
…今日はこのままだと、もっと自分勝手なことを言ってしまいそうだった
鞠莉「…ごめんなさい…今日はもう帰るわ…また、明日ね…」
「…ま……り…」
鞠莉「…え…？」
…今、Aの声が…
「…ま…り……さん…」
鞠莉「〜っ！！」
すぐにAの元に駆け寄った
鞠莉「A！？」
「…一緒に…いますよ…」
鞠莉「…A…！！…A！！」
Aを抱きしめる
Aの温もり、優しさ、全部に涙が止まらない
「…遅くなって…ごめんなさい」
鞠莉「…おかえり…！A…！」
「ただいま…鞠莉さん」
Aが目覚めたことをみんなに知らせた
息を切らして、すぐに来てくれたわ
ねぇ、A
この3ヶ月で、思い知ったわ
やっぱり私…貴女がいないとダメみたい…
私は…小原鞠莉は…
Aの事が好きです
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天霧(プロフ) - とても好きです。続き気になります。更新待ってます！ (2022年6月13日 16時) (
レス) @page42 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
湖南(プロフ) - 続きが気になります...！頑張ってください (2019年11月3日 10時) (レス) id: 9b8accfd92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うどんや | 作成日時：2019年6月2日 15時
