貴女の歌と私の音

21話 会いたかった ページ22

Aside

「ここ…どこ…？」


一面に広がる緑、優しい風が吹き抜ける


私は…死んだの…かな？…なら、ここは


「天国？」


？？「…違うよ」


「！？」


この声…もしかして…！？


「マ…リ…？」


マリ「久しぶりね、A」




…マリが…居る…今…私の目の前に…




「マリ…！マリ…！！」

マリ「ちょっと、急に抱き着くと危ないわよ！」

「会いたかった…！ずっと…会いたかったよぉ！」

マリ「うん、私も…！」




久しぶりに感じるマリの暖かさ

思わず涙が出てくる




マリ「もうっ…何泣いてるのよ〜」

「だって、だってぇ」

マリ「よしよし」

「急に居なくなるんだもん…寂しかったよ…」

マリ「うん、本当にごめんね」

「…マリに会えたって事は、私はやっぱり…」

マリ「いいや、Aはまだ生きてる。もっとも、危険な状態ではあるけどね」

「え、じゃあどうして…」

マリ「…私が繋いだの…Aと話したかったから」

「話？」

マリ「私が事故にあったあの日、Aはどうして私を呼び出したのか」

「っ！！そ、それは…」

マリ「…ま、知ってたんだけどね」

「えぇ！？」

マリ「A、私に告白しようとしてたでしょ〜？」

「な、なな、なんで…！？」

マリ「ふふっAは分かりやすいからね♪」

「うぅ、恥ずかしい…」

マリ「…とっても嬉しかったよ、だって、私だってAの事…好きだったから」

「え…？」

マリ「あの日、本当は私も伝えようと思ってた…でも、あんな事になっちゃって…結局言えないまま…それに加えて、Aは音楽辞めちゃうし…」

「見てたの！？」

マリ「ええ、異世界までバッチリね！流石に予想外だったけど」

「そっか、ずっと見ててくれたんだ」

マリ「…で、その告白の事なんだけど…私のは叶わない恋って事で」

「あ、そ、そうだよね…」

マリ「…勘違いしちゃダメよ？もう死んでるとか、そういう理由じゃないから！」

「え？」

マリ「確かにあの頃のAは私の事好きでいてくれた…でも今は…ね？…Aだって、分かっているでしょう？」

「…」

マリ「だから早く戻りなさい！貴女の居るべき所はここじゃないでょ？」

「帰れるの？私…」

マリ「帰りたいと強く願えば、きっとね」



そうだ、私はまだ死ぬわけにはいかない


今度はちゃんと、伝えるんだ



「ありがとう…マリ…大好きだよ」

マリ「私も、大好きよ…A」









帰ろう









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