【黒子のバスケ】先輩、振り向いて下さい【黄瀬涼太】

5話 ページ6

そして、翌日…土曜日。


スケジュールを確認し、オレは今回の雑誌の撮影場所である、公園へ向かう。


帝光中の近くの公園だから、また女に群がられるんだろうな。


それが今回の撮影の憂鬱材料だ。



…今日の部活は午後から、撮影は12時まで。


撮影時間はメイク時間を含んでるし、かなりあるから、早朝からの撮影になる。



そして、撮影場所についた途端、メイクが始まり、撮影も始まった。



「いいね、黄瀬くん！」


「視線こっち！あ、そこポーズ変えて、足組み直して」


「顎引いて！」



飛び交う指示に応えながら、頭の中ではボーッと昨日のことを思い出していた。


あの人、やっぱり変な人だったんッスね…。


青峰っちにさえ、『あの人面白ぇな』なんて笑われてた始末だったし。



でも、確かに面白い人ではあった。


赤司っちまで自分のペースに巻き込む女なんて、今まで見たことない。



「今日も良かったよ、黄瀬くん。特に表情が決まってたね」


「どもッス」


「そう言えば黄瀬くん、バスケ部に入ってから少し経つよね。


どう？マネさんとか、可愛い？気になる女の子とかはいる？」


「桃っち…マネージャーはモテますねー。


えーと…気になる女子って、オレは今んところは」



そこまで言って、ふと白石先輩の顔が頭に浮かぶ。


…確かに、『気になる女の子』ではあるかもしれない。



「え、何なに、ほんとにいるわけ？」


「恋愛というより、なんか見てて面白い人っていうか…まぁ、そんな人ならいるッスよ」

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