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36話 ページ37

甘くて柔らかな感触に酔う。


ヤバいことしてるな、という意識はどこかに行ってしまった。



「ん、」



先輩が力の入らない腕で、オレを押しのけようとする。


拒絶するなら、もっとちゃんとやってほしいッス。


じゃないと…。



「や…め、てっ……」


「!」



涙混じりの声に、怒りと快感でモヤがかかっていた理性が戻り、ハッと我に返る。


あわてて退くと、怯えたような表情をする先輩が目に入った。


触れるだけの、キスだった。舌も差し入れてないし、普通中学生でもそのくらいはするだろう。



それがカップル、なら。



問題は、A先輩にとってオレは、ただの少し仲のいい後輩で、


先輩はさっきまで男に酷い目にあわされそうになっていたということだ。



「せんぱ……」



自分のしたことのヤバさがやっと理解できて、先輩を完全に傷つけて怯えさせたことがわかった。


現に、涙が零れて、怯えてる。


謝らないと、と思っていると、例の先輩方に引っ張られ、陽介っちが走ってきた。



「姉ちゃん!涼太先輩!」


「よ…う、すけ」


「A泣いてるじゃん!大丈夫!?あいつらホント、サイテー!」



派手目の先輩が、A先輩に駆け寄る。


違う、それは、オレのせいで。



「バカだろ姉ちゃん、なんで呼び出されたからってノコノコ行ったんだよもー…」


「っ、ごめ……」


「帰ろう。先輩達にあんまり迷惑かけられないし。


涼太先輩、姉ちゃんについててくれてありがとうございます」



違う!陽介っち、先輩を傷つけたのはオレだ!


そう叫ぶことも出来ずに、ただ呆然とする自分が情けない。


極めつけは先輩のこの言葉だった。



「ごめ…陽介、思い出したら…怖くなって」


「泣くなって姉ちゃん」



あんなことされてまで、先輩は何も言わなかった。


庇われるよりむしろ、軽蔑されて嫌われた方がマシだった。



それなのに。



「くそっ…」

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設定タグ:黒バス , 恋愛 , 黄瀬涼太   
作品ジャンル:恋愛
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さにー☆彡(プロフ) - 鈴香さん» ありがとうございます!続編も書けたら書きたいとは思っているのでその時はよろしくお願いします! (2019年10月2日 20時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
鈴香(プロフ) - とてもキュンキュンさせて頂きました!!面白かったです!続編楽しみにしてますね (2019年10月2日 20時) (レス) id: 433bf9ff90 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - あまくろさん» あらま!ありがとうございます!! (2017年6月10日 6時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
あまくろ - とても面白いですね!それから、9話の緑間っちが、緑町っちになっていました... (2017年6月9日 21時) (レス) id: d3b08ce942 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - さにー☆彡さん» 時間旅行も海常編の続編も楽しみにしてます!! (2017年4月11日 11時) (レス) id: 5e68c6ec4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sunny | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1  
作成日時:2016年12月7日 21時

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