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34話 ページ35

「おー、こえーこえー。ただオレらは雇われただけだっつーの」



そいつらな、と男が後ろの女達を指さす。


女達は怯えた顔で、手にしていたスマホを背の後ろに隠した。


ふざけんな…!


オレは拳を握り、自分より少し背が低い男達を睨み据える。



「ちょっ、何しようと…」



すると、オレの本気を感じ取ったのか、男達が焦り始める。


1発殴るだけじゃ足りねー。こいつらはそれだけのことをしようとしたんだ!


そう思い、1歩踏み出したオレを、



「ダメ!!」



止めたのは他ならぬA先輩だった。


シャツを整え、涙の跡がある顔のままで、驚いて固まるオレに彼女は続ける。



「何してるの、黄瀬くん! 殴っちゃダメ、手に怪我でもしたらどうするの!?」


「先輩、でもオレ」



「君は!帝光中学バスケ部の…王者の名を!皆の誇りを!背負ってるんだよ!!」



厳しい声に、ビクッと怯む。


思わず固めた拳を下ろしてしまった。



「ここで君が騒ぎを起こせば、必ず帝光は出場辞退を迫られる、


私なんかのせいで、帝光バスケ部の栄光を邪魔したくない。


…黄瀬くんお願い、私は大丈夫だから」


「A、先輩…」



怖くなかったわけがないのに、どうしてそんなに強がるんスか?


オレはそんなに頼りにならない?



あっ、と後ろで女が声を上げた。


携帯を取り上げられたらしい。そしてそれは、もちろん赤司っちだ。


何回か操作をすると、赤司っちは携帯を女の手に返した。映像を削除したらしい。



「赤司くん、どうしてここが」


「人気のない場所と言えばここですからね。黄瀬の戻りが遅いから、少し様子を見に来たんです」



そう言うと、赤司っちの後ろからバスケ部のレギュラーメンバーが。


蒼白になった男達を、6人全員で睨めつける。



「黄瀬、よく手を出さなかったな」


「え、オレは…」


「これで、先生に報告しても問題にはならないだろう。白石先輩、お気遣い感謝します」

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設定タグ:黒バス , 恋愛 , 黄瀬涼太   
作品ジャンル:恋愛
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さにー☆彡(プロフ) - 鈴香さん» ありがとうございます!続編も書けたら書きたいとは思っているのでその時はよろしくお願いします! (2019年10月2日 20時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
鈴香(プロフ) - とてもキュンキュンさせて頂きました!!面白かったです!続編楽しみにしてますね (2019年10月2日 20時) (レス) id: 433bf9ff90 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - あまくろさん» あらま!ありがとうございます!! (2017年6月10日 6時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
あまくろ - とても面白いですね!それから、9話の緑間っちが、緑町っちになっていました... (2017年6月9日 21時) (レス) id: d3b08ce942 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - さにー☆彡さん» 時間旅行も海常編の続編も楽しみにしてます!! (2017年4月11日 11時) (レス) id: 5e68c6ec4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sunny | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1  
作成日時:2016年12月7日 21時

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