【黒子のバスケ】先輩、振り向いて下さい【黄瀬涼太】

25話 ページ26

「それじゃ、始めるッスか」


「はい！先生、よろしくお願いしますっ」


「ちょ、先生って…やめて下さいよA先輩」



昼を食べ終わり、英語を軽く復習し、少しリビングでテレビを見ながら休憩したあと、


オレ達は女子用のバスケットボールを持って公園に出てきた。


遊具はないが、ちゃんとバスケットボールコートがある公園。


軽く先輩のペースに合わせてランニングすると、早速2人でコートに入る。



「ええと、先輩。バスケの特に何が苦手なんスか？」


同じような質問、勉強の時にされたな…と思いつつオレが聞くと、


A先輩が迷いなく即答した。



「全部！」



…さいですか。


まぁとりあえず、とオレは先輩にボールを渡す。



「先輩、じゃあ、そこでボールをついてみて下さい。ゆっくりでいいから、同じテンポでッスよ」


「あ…うん」



ポンポン…と真剣に先輩がバスケットボールを地面につき始めた。


下をガン見してはいるけど、出来てる。


それよりなんだか一生懸命な先輩が可愛くて、くすっと笑ってしまった。



「黄瀬くん？」


「あ、すいません。なんでもないッスよ。


ボールつきは出来てるので、今度はそのまま歩いてみて下さい。


まだ下は見たままでいいけど、慣れてきたら前を向いて。


走れるようになったら、ドリブルコンプッス」


「うん！」



力強く頷いて、先輩は慎重に歩き始めた。


何回かボールを零すので、拾ってやりながらアドバイスを続ける。


そしてしばらく経った頃、先輩は前を見ながらボールをついて、歩けるようになった。

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