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10話 ページ11

「で、でも…本当に良かったんスか?執行部の人が買い食いしたのバレたら、本当にヤバイんじゃ…」


「んー…『私は』ヤバイかなぁー」



私は?


先輩の言葉に、赤司っちを除く5人が首を傾げる。



「大丈夫大丈夫!中学生の買い食いをわざわざ指摘するなんて大人はそうそういないし、


万一他の執行部員とか風紀委員に見つかっても、それで先生に告げ口して、


帝光バスケ部の名前に傷をつける真似をする人なんていないよ。


どこの学校にだって、体裁はあるもんね。


むざむざ学校の自慢ポイントを傷つけたくないもん」



にっこり笑う先輩に、オレ達はバッ、と赤司っちを振り返る。


赤司っちは、薄く微笑んだまま何も言わない。



「それに、赤司くんがそんな不祥事に繋がる可能性が高い行動、するわけないじゃない」



そのとおりでした!


…とオレ達はニコニコ笑う先輩に心の中で叫ぶ。


先輩は美味しそうにアイスを舐めながら、続けた。



「でもあんまり、校則違反はよくないよ。


頭の堅い大人はいるから、ほどほどにね!


…って、現在進行形で違反してる私が言っても意味無いかぁ」



えへへ、と笑う先輩に、こちらにも笑顔が移る。


和やかになった雰囲気で、それぞれアイスを食べ終わった。



「それじゃ、私はこっちの道だから」



オレ達とは逆方向に足を向ける先輩に、桃っちが代表して、笑顔で「さようなら」と告げる。


けど、オレは先輩を呼び止める。



「白石先輩!」


「どうしたの、黄瀬くん?皆行っちゃうよ?」


「春季大会、見に来ないッスか?その…皆、喜ぶと思うから」


「行っていいの?」


目を輝かせた先輩に、オレは頷く。


「はい」


「やった!実はずっと見に行きたいって思ってたんだよね。でも、なんか思い止まってて…。


ありがとう、いっぱい差し入れ持っていくね!」



微笑んだ先輩はそれだけ言うと、すぐに行ってしまう。



向こうで皆の呼ぶ声がする中、


オレの心臓が、再びトクンと鳴った。

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設定タグ:黒バス , 恋愛 , 黄瀬涼太   
作品ジャンル:恋愛
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さにー☆彡(プロフ) - 鈴香さん» ありがとうございます!続編も書けたら書きたいとは思っているのでその時はよろしくお願いします! (2019年10月2日 20時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
鈴香(プロフ) - とてもキュンキュンさせて頂きました!!面白かったです!続編楽しみにしてますね (2019年10月2日 20時) (レス) id: 433bf9ff90 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - あまくろさん» あらま!ありがとうございます!! (2017年6月10日 6時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
あまくろ - とても面白いですね!それから、9話の緑間っちが、緑町っちになっていました... (2017年6月9日 21時) (レス) id: d3b08ce942 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - さにー☆彡さん» 時間旅行も海常編の続編も楽しみにしてます!! (2017年4月11日 11時) (レス) id: 5e68c6ec4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sunny | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1  
作成日時:2016年12月7日 21時

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