noisly new page

撮影前夜 ページ23

.


清水side


Aは今日、俺の家にお泊まり。

やけどさっきからずっと、ソファに座って台本読んどる。



―――Aと、頼我が、ドラマに出ることが決まった。



Aは初めてのお芝居やって、気合入ってる。

全部名古屋での撮影になって、明日がクランクイン。

名古屋にいる間ホテル暮らしになるみたいやけど、前乗りしとる今日は寝床がなく、俺の家を提供した。

Aとイチャイチャできるんかなーと思ったけど、Aはこの通り、台本読みに没頭しとる。

じーっとAを見つめてるのに、無反応。

せっかくお泊まりしとんのに、なにもないん？

うずうずして、Aの隣に乗り上げた。

横からAを抱きしめる。


「ちょっ、たか」

「かまって？」

「わたし台本読みたい」

「じゃあ読んでてええから」


ちゅっとAのこめかみにキスをして。


「集中できないって」

「んー？」


甘えるみたいに。

Aの首筋にもキス。

Aの体がばっと離れた。


「痕つけるの禁止」

「じゃあこっち」


Aの唇に。


「…集中力途切れた」

「あんまり根詰めんのもよくないで？明日に備えてゆっくりせな」

「せっかくたかんち泊まってるんだし？」

「そうそう」


Aは台本を閉じて、テーブルに置いた。

そして、Aからキスしてくれた。


あげく、押し倒されて。


「―――やる気」

「別に。たかのこと大人しくさせたかった」

「大人しくなるわけないやん」


Aにキスして。


「唇腫れさせるのもダメ」

「体触って寝んのは？」

「…明日に影響出ない程度なら」

「しゃ。ベッド行こ」


Aと寝室に移動して。

ちょっとだけ夜更かし、許してな。


.

あいつの匂い１→←僕だってさみしい２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す