【ツイステ】無力な海の王子様【男主】 (ページ27)

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フィリウス「……………… やれやれ、一体なんの騒ぎだ。

さっきからキャンキャン喚いてうるせぇなァ？」

オーバーブロットしたアズールに手も足も出ず苦戦しているジェイド達に、俺は声をかける。

すると、アズールは俺の存在に気がつくと、他の奴らには目もくれず、こちらにやってくる。

ジェイド「……っ、いけない！

フィリウスっ！逃げて下さい！！今のアズールはっ、」

フィリウス「ばァか、黙ってろ。

頭に血ぃ上った【兄貴】宥めんのが、【弟】の仕事だろうが。

てめぇこそ、フロイド担いで離れてな。」

そう言いながら、アズールと対峙する。

アズール「………… 嗚呼、フィリウス……

ごめんなさい、すみません、…… 貴方に辛い記憶を思い出させてしまって、…………

でも、安心してください………… いますぐ、またぜェんぶ奪ってあげますからァ………… 」

そう言いながら、アズールは狂った瞳で俺に近づいてくる。

フィリウス「………… アズール。お前はそんなに頭が悪かったなんて知らなかったぜ。

なぁ、本当に俺があの記憶を抹消したかったのなら、なぜ俺は今平常心でお前の前に立っている？」

俺の問い掛けに、アズールの動きはピタリと止まる。

フィリウス「おかしいよなぁ。普通だったら、記憶と力が戻った時点で、俺はまた錯乱状態に陥り、お前以上に暴走しているはずだ。」

アズール「………… フィリウスゥ？何、を…… いってるのか、…… わからな、い。」

よし、これくらい心に隙が出来ればいいだろう。

フィリウス「『お前の負の感情は最高に愛らしい。

もっと、俺によく見せてごらんよ。

無力な王子の慈悲(インヴァリッド･エレオス)』」

そう言いながら、俺はアズールの唇を奪う。

そこから、ゆっくりとアズールに蓄積されてしまった膨大なブロットを吸い取っていく。

おやおや、こんなに溜め込んで、………… 取ってあげるのが大変だなぁ？

アズールは突然の出来事に放心状態になっている。

そして、暫くして、俺はアズールのブロットを全て自分の中に取り込んだ。