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〜オクタヴィネル寮〜





アズール「そこのお前の雷の魔法、隣のお前の運動能力、………… 全部、全部僕に寄越せぇっ!!」



そう言いながら、アズールは所構わず吸い取っていく。




【黄金の契約書】を介さないと、能力の全てを奪い取ってしまう禁術クラスの魔法は、どんどんとブロットの許容範囲を超えていく。




ジェイド「アズール、何をしているんですか!」


フロイド「うわぁ、どーなってんのこれ。」






聞き慣れた声に、アズールはそちらを向く。



アズール「……嗚呼、ジェイド、フロイド、戻ってきてくれたんですねぇ…… ?




そこにいるバカどものせいで僕の契約書が全てなくなってしまったんです……


だからァ………… あなたたちの力も僕にください。僕にくださいよォっ!!」



ジェイド「貴方のユニーク魔法は強力すぎるゆえ、契約書なしには制御出来ないはず。


そんな事をすればどうなるか、あなたが一番よくわかっているでしょう!」



完全に我を忘れたアズールは、ジェイドの言葉にすら耳を傾けず、ただひたすらに周りの人間から能力を吸い上げていく。





フロイド「…… なんだよ、アレ、アズールの身体から黒いどろどろが出てきてねぇ?」


ジェイド「っ、ユニーク魔法の使いすぎです。





このままでは、アズールがオーバーブロットしてしまう!」








アズール「どうせ、僕は、ひとりじゃ何も出来ないグズでノロマなタコ野郎です。





だから、もっとましな僕になるために、みんなの力を奪ってやるんです。













美しい歌声も、強力な魔法も、全部僕のものだァ!!




寄越しなさい!!!総てを!!








そして、……………… 僕は護らなきゃいけないんです…… 大切な、フィリウスを……





















たった一人の…… 愛する【弟】をね!!!!!!」








そう吼えるように叫びながら、アズールの身体からドロドロとした黒い液体が溢れ出し、一気に彼の体を包んだ。












その瞬間、アズールの姿は異形のものと化し、完全なるオーバーブロットを迎えた。












そして、同じ寮生であるジェイドやフロイドにも、容赦なく刃を向けてしまっていた。

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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年6月7日 12時

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