【ツイステ】無力な海の王子様【男主】 (ページ22)

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～それから数年後～

今日は、俺の可愛い兄弟と初めて面と向かって話をする日だ。

俺は、一秒だって忘れたことはない。

あの兄弟の存在を。

あの兄弟を、いじめた奴らの存在を。馬鹿にしたヤツらの存在を。

そして、ずっと見てきたんだ。

可愛いあの子が、そいつら全員に復讐して行った姿を。

その為に、どんな努力をしていたのかも。

黒い感情で突き動かされているあの子の姿は、最高に可愛かった。

屋敷から抜け出し、あの子に逢いに行く。

嗚呼、やっと言葉を交わせる。

でも、普通のカンケイじゃ面白くない。

お前は、【暗い色】が良く似合うよ。

*******

フィリウス「………… ねえ、君が噂のアズール君？」

態とらしく、彼の嫌がる性格を演じる。

アズール「…… そうですけど、君は誰ですか？

ここの生徒じゃないですよね？」

フィリウス「ふふ、君に逢いに来たんだよ。

君と、友達になりたいと思って、ね。」

初めは警戒心の強かったアズールだったけど、無邪気に声を掛けていくうちに、無視する方が面倒と判断してくれたらしい。

そこから、ゆっくりと時間をかけて、【友達】になっていく。

いつも君の傍にいたあの双子のウツボのように。

じっくり、ゆっくり、アズールの心の中へと入っていった。

徐々に俺の本性をさらけ出し、何があっても、俺はお前の味方だと、そう刷り込んでいった。

そうして、俺はアズールにとって信用するに足る【友人】という立場を手に入れた。

まあ、アズールにとっても悪い条件ではなかったんだろうね。

なんせ、俺はアズールよりも、双子のウツボよりも群を抜いて魔力が強かったから。

あとは、俺を騙していたあの間抜けな強欲野郎と、昔アズールをいじめていた奴らを消してしまえば、俺の計画は完遂される。

その後の、ちょっとしたイベントも含めて、な。