検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:3,065 hit

弐拾伍 ページ26

次に目が覚めた時には、見慣れた天井だった。












ここ、蝶屋敷の治療部屋。














ゆっくりと身体を起こすと、左手に違和感を感じた。








誰かに手を握られている。











少しの期待を抱いて僕の手を握る相手を見た。










でも、そこに居たのは僕の求めていた人ではなかった。







熾勇「……………… 起きて、禰豆子。」







僕の問い掛けに、禰豆子はすぐに目を覚ました。









そして、僕の傷を労りながら、優しく抱き締めてくれた。










その瞬間、僕の瞳から溢れ出る涙。










熾勇「………… っ、うっ、…… ひっ、……







違っ、…… ごめんっ、………… 禰豆子が、謝ることじゃっ、…… 」






禰豆子は僕を抱き締めながら、謝ってきた。








義勇じゃなくてごめんね。私でごめんね。…… と。










その優しさが、今の僕には酷く心に刺さるものだった。







実際に、兄様じゃない人で凄く、心の底から失望した。






嗚呼、やっぱり兄様は僕の事を愛してくれていないんだって。




僕のことなんかどうでもいいんだって。












だけど、それを理解した上で僕を慰めてくれた禰豆子の優しさが、今の僕の心の穴を埋めてくれている。













熾勇「…… ぁにさま、やっぱり、…… 僕の事、どうでもいいんだ。










結局、………… 兄様が愛してるのは、…… 【あの人】なんだ。」












だから、僕が死んだら、【あの人】が帰ってきてくれるって思ってるんだ。











だって、【同じ体に魂は二つも要らないもの】















すると、禰豆子が僕の頭を優しく撫でてくれた。












そして、優しく微笑んだ。















禰豆子「………… うぅ、うー。」















……………… うん。ありがとう。









熾勇「ありがと、禰豆子は本当に優しいね。











お前は、………… 信じてもいいかもしれない。













…… ねえ、もう暫く、僕のそばに居て?」





その言葉に、禰豆子は優しく頷き、また手を握ってくれた。

弐拾陸→←弐拾肆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年4月17日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。