灰崎祥吾の供述 ページ22
リョウタに負けた。昔赤司に言われたことがドンピシャ当たったのも悔しいがやはり負けたという事実が純粋に気に入らなかった
だから報復に出ようと思った。試合前にリョウタに声をかけた誠凛の女がコイツの弱点だと察したから。本人は無意識だったがあの時のリョウタの幸せそうな顔がこびり付いて離れない
全く、なんて顔するようになったんだよ。
「だからさァ、悪く思うなよ?」
「……」
試合終了後、自販機前にいた女を攫って人気の無い場所に追い込んだ。怯えた様子で佇んでいた女は後ろ手にケータイを操作し助けを呼ぶ素振りを見せた。のでそれを奪いあらぬ方向に投げ捨てる
「へえ、結構抜け目ないんだね、リョウタでも呼ぼうとした?」
「わ、私を黄瀬君への復讐の道具にしようとしても意味無いよ……」
「あっそ、じゃあ試してみっか」
肩をがしりと掴んでその場に押し倒すと女はその先自分が何をされるのかを察したように絶望した。土の匂いは気に入らないが良い女を無理矢理やってやんのも悪くない
「はぁ」
さあ泣き喚け。そう念じた俺が目にしたものはマウントを取られて尚、不気味にも笑を浮かべている女だった
「は……何笑ってんの」
自分の行く末に絶望をしていたとは思えない余裕の表情はまるでさっきまでとは別人のようだ。
誰だ、コイツは
「いや、羨ましいなあって」
「あ?」
まるで開き直ったかのような語り口は完璧に俺の不意を突いていた
「負けた高校は後片付けと帰る準備だけだもんね?暇そうで心底羨ましいわ」
右手は勝手に女を殴っていた。何挑発に乗ってんだよ、
やめろよ俺
「こんなことできる時間、誠凛やキセのところにはないのよね、あー羨ましい、羨ましいわハイザキ君」
「テメエっ!」
殴っても、制服を破いても、女は笑ったままだった。ふざけんな、悔しい、悔しい
「灰崎」
「あ!?」
突然呼ばれたと思いきや右頬に痛み。衝撃に耐えられずそのまま倒れた。チラリと見えた褐色の肌と青色の眼光は間違いなく俺を敵視しているようだった
「あ……桐皇の青峰君」
「あ……若松サンの彼女」
そこから俺の意識は無い。
「助けてくれた……んだよね?ありがとう」
「いやまぁ、たまたま通った先にケータイ落っこちてたから立ち止まっただけだよ」
「アラームセットしてたの。見つけてくれてありがとう」
「つーか服着ろよ、テツと黄瀬どっちに引き渡せばいんだよこれ……」
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろちこ(プロフ) - 鎖月零さん» ありがとうございます!!あともう何話とおまけまで書き上げてますので最後までお付き合いください……!!本当にいつも支えてくださりありがとうございました!!泣きながらアップしますね…… (2018年2月28日 6時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - またしてもコメント失礼します…!も、もう少しで恋愛事情も終幕なんですね(泣)もう本当にすっっごく面白くてネタもそうですが、恋愛入ってきてからは千鳥サンも可愛いしキセもかっこよいしで悶絶しまくりです。ラストスパート泣きながら読みますね…! (2018年2月27日 14時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 妄想女子さん» わわわ!ありがとうございます!!大好きなんて嬉しすぎます!!もう少し続きますのでどうか最後までお付き合い下さればと思います (2018年1月3日 10時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
妄想女子 - とても大好きです!面白いので続いて欲しいです!頑張ってください! (2018年1月2日 23時) (レス) id: c57f70d9fe (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 鎖月零さん» あああありがとうございます!!ここからは恋愛描写しか入れませんので悪しからず笑ジャンケンは不参加が身のためです!!ww私も零さんが好きすぎてつらい! (2017年12月23日 16時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ろちこ | 作成日時:2017年9月28日 8時