俺たちの恋愛事情【黒バス】

意味が分かると怖い関係 ページ17

謎の色男がうちに来たのでとりあえず居間へご案内。名を氷室さんと言うらしく聞けば陽泉高校の2年選手という。紫原っちの先輩っスね

「粗茶っス」
「ありがとう、頂くね」

アメリカ風のお兄さんだと言うのに礼儀正しく日本茶も良く似合う。なんというエレガント。

「なんで今更来るのよ。来れなくなったんじゃなかったの」

「Aに嫌われたらオレの人生もperfectだと思っただけだよ」

そんな会話になんとなく納得。そういえば前にAさんが電話口で似たようなやりとりをしていた。perfectと言うのは本来の完璧、という言葉とは別に最悪という皮肉に使われることもあると赤司っちから講座を受けたっけ

「あのー、お2人の関係って？」

ズバリ、一番気になっていることを聞けばAさんだけピクリと反応。氷室さんはニコニコとしているだけ

「……親友よ」

「親友……？」

「ああ、大親友だね」

何やらトンチンカンな回答に俺のモヤモヤは不消化。

「中学の時ＬＡに留学したことがあるのよ。1年だけね。タツヤはその時に知り合ったの」

「それからはずっとメールや電話だけのやりとりだったけど疎遠になったことは無かったね」
「はあ？疎遠だったでしょ」
「俺はずっとAのことを思っていたけどな」

「はいイチャイチャしない！！」

ダチョウ倶楽部よろしくすぐに顔を近づけるアメリカン共を引き離して仲裁に割り込む。そろそろ夕御飯の時間だしいろいろと区切りをつけなければならない

「氷室さんは今日ご飯食べていくっスか？」

何気なく尋ねるとまたニコリと微笑む氷室さん。

「そうだね、今日のところは……Aの部屋にでも泊めて貰おうかな」

瞬間に固まるAさんに俺も釣られて固まった

え、あのゴミ小屋に泊まんの？正気？

「私の部屋にアンタが入るスペースなんて無いわよ」
「Aの隣があるだろ？」
「あの、まさかとは思うっスけど、同じお布団で」
「絶対に嫌よ！」

ささっと若松さんの背中に隠れるAさんとそれを楽しそうに眺める氷室さん。
なんだかAさんを困らせる存在というヤツが珍し過ぎて涼太君びっくりっスわ

「おい引っ付くな！」
「私ワカマツの部屋で寝る！」
「ざけんな」
「妬けるなA、オレと一緒じゃ不満か？」
「不満ってか、不安よ！」
「俺から言わせりゃ不毛だけどな」


そんなやりとりをしばらく続けた後、結局若松さんの部屋に氷室さんが泊まることとなり話は落ち着いた。2年同士仲良くやって欲しいものだ。

高尾和成の供述→←展開が止まらない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す