千歳と遠距離 ページ7
東京の冬は寒いなんて、地方民に言ったら何と返されるだろうか。それでもやはり震えは止まらず、都会特有のビル風は本当に冷たい。
早くお家に帰りたい、暖を取りたいがために誰も待っていない一人暮らしの部屋へ寂しく帰る。
鍵を開けて中に入ると温かい風。玄関には大きな靴。キッチンに人影。ああ、なんてことだ……
「おかえり」
「千里!」
話も聞かずにその大きな胸に飛び込んだ。最後に会ったのは一ヶ月前。ああ本当に、会いたかった
遠く離れて暮らす私達は中々会えない代わりにお互いの合鍵だけは持っていて、いつでも部屋に入れるようにしていた。しかしまさか、連絡も無しにサプライズ訪問されるなんて、夢でも見てるのだろうか
「ご飯にすんね?」
「千里で!」
「そげんか、風呂?」
「千里!」
「最後まで話ば聞かん悪か子はこうたいっ」
「きゃー!」
ギューと締め付けるようなハグをして私の髪の毛にキスをする千里。子供のようにはしゃいで彼の腰に脚を回すとそのまま抱っこの状態でソファーへと移動させられた
遠距離は辛いが、だからこそお互いへの思いが強まる。ソファーに座り身を寄せ合った
「本当に嬉しい、ねえどうしたの?」
「お前に会いとうなったけん、来てしもうたばい」
どうやら野暮用で隣県まで立ち寄ったらしく、ここまで来てしまってはもう私ルートを避けることは出来なかったらしい。なんという好都合。ありがとう神様、ありがとう野暮用
「今日一緒に寝てもいい?」
「良かとよ」
「抱きしめて寝てくれる?」
「よかよか」
どうやら私は千里だけに限っては甘えん坊を発揮してしまうようで、ここぞとばかりにオネダリをすれば千里もニコニコと答えてくれた。
「じゃあ、俺からも1つよか?」
「勿論」
今度は千里からのお願いに私は快く返事をした。こんなに嬉しい日は無い。今ならなんでもしてあげられる気分である
「ボボがしたか」
「……え」
そして固まった。
……いや、うん。遠距離だし会えば必ずそうなるんだけどさ……
「なしたと?」
「いや、え……」
直球が過ぎない?え、そんな誘い方今まであった?
「さっき俺を選んだっちゃんね?」
「いや、そうだけど……まだもう少しこうしてたいかなって」
「俺はもう我慢出来んばい」
「ひぇっ」
気がつけば視界には天井と千里。ああダメだ、負けた
「A、好いとうよ」
愛しさがとまらない
千歳と遠距離
1ヵ月は割とキツい
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くろかは(プロフ) - 「大事そうな話」が特に好きです!いや全部面白いんですけどね!!(*゚∀゚*) (2019年3月9日 11時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - びょるさん» 繰り返し失礼致します、続編に載せる予定だった四天宝寺プロポーズネタを急遽こちらで載せることになりましたので、ご連絡失礼致します!リクエスト本当にありがとうございました! (2018年4月17日 6時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - ふゆさんはじめまして!全てのお話に目を通して頂きありがとうございます!!お褒めの言葉まで!白石君程に融通の利くキャラはいません!書きやすさに重宝させて頂いてます笑。本当にありがとうございます、嬉しすぎます。これからも何卒、宜しくお願い致します! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 信玄さん» 信玄さんはじめまして!コメントありがとうございます!私もめっちゃ嬉しいです!続編でも何卒宜しくお願い致します! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 涼音さん» 涼音さんありがとうございます(><)続編でも何卒宜しくお願い致します!会員登録までっっ!本当にありがとうございます!仲良くしてくださいっ! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろちこ | 作成日時:2018年3月6日 12時