白石と生活リズム ページ1
通勤ラッシュであろう向かいの電車には人がごった返しているのに対して朝の下り電車とは実に優雅なものである。夜勤明けの顔をマスクで隠して帰路を急ぐ私。今日は日曜日だ
蔵はまだ寝てるだろうか、午前2時で途切れたLINEにまだ既読はつかない。
家に帰ったらまずお風呂に入ってその後ご飯も作って、洗濯をして……
そんな計画は蔵の寝顔を見て全部吹っ飛んでしまった。
元々生活リズムの違い過ぎる私達は別々の部屋を寝床としていたのだが、出来心で蔵の部屋を覗いてしまったのがダメだった。
愛しさが本能となって溢れる。
彼のシングルベッドに潜り込んで、その胸に顔を埋める
「ん……」
起こすつもりは無かったのだけれど彼の吐息に顔を上げれば寝ぼけ眼と目が合った
「おはよう」
「……おかえり」
まだ寝ぼけている蔵は両腕で私を包み込み抱き枕のように力を込める。それが心地よくて噛み合っていないようで合っている挨拶に笑い声が零れた
「今日2人とも1日オフだよ」
「せや、なぁ……」
「ふふ、ゆっくりしようね」
「おん」
眠そうな声に乗せられて段々と落ちていく瞼。化粧すら落としてないけれどもうこの睡魔には抗えない。
好きな人の腕の中で意識を落とす幸せを噛み締めて私は夢へと旅立った
×××
それから起きたのは昼の14時だった。隣には誰もいない、キッチンから聞こえた物音に安堵する。
そこで私は自分のメイクが落ちていることに気がついた。化粧品と乳液で肌の保湿もされている。またどうしようもなく愛しさを募らせてキッチンへ行けばその後ろ姿に抱きついた。お昼でも作っていたのだろうか、鼻腔を擽る匂いと厚手のエプロンの感触。
「おはよう、今日は朝からずっと甘えたさんなん?」
「んーん、蔵が好きなだけ」
「そら良かったわ、もうちょい待ってな」
ソファーに移動して借りてきたDVDをセットすれば間もなく蔵が隣に座る
「2人の休みが被るの久しぶりだよね」
「せやけど、どこにも行かんとほんまに良かったんか?」
「うん、今日は贅沢にダラダラしよ」
「なんやそれ、悪ないなぁ」
再生のボタンを押して2人で手を重ね合う。パスタが茹で上がるまではこうして予告編を評価し合っていよう。そしたら今度は紅茶でも煎れて、次の旅行の計画立てて、ゲームして……
今度は全部吹っ飛ばないようにしなくてはならない。
白石と生活リズム
重なる時間を大事に過ごすスタイル
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くろかは(プロフ) - 「大事そうな話」が特に好きです!いや全部面白いんですけどね!!(*゚∀゚*) (2019年3月9日 11時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - びょるさん» 繰り返し失礼致します、続編に載せる予定だった四天宝寺プロポーズネタを急遽こちらで載せることになりましたので、ご連絡失礼致します!リクエスト本当にありがとうございました! (2018年4月17日 6時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - ふゆさんはじめまして!全てのお話に目を通して頂きありがとうございます!!お褒めの言葉まで!白石君程に融通の利くキャラはいません!書きやすさに重宝させて頂いてます笑。本当にありがとうございます、嬉しすぎます。これからも何卒、宜しくお願い致します! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 信玄さん» 信玄さんはじめまして!コメントありがとうございます!私もめっちゃ嬉しいです!続編でも何卒宜しくお願い致します! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 涼音さん» 涼音さんありがとうございます(><)続編でも何卒宜しくお願い致します!会員登録までっっ!本当にありがとうございます!仲良くしてくださいっ! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろちこ | 作成日時:2018年3月6日 12時