あの日、あの時、あの場所で Ⅱ【Reo】 (ページ31)

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*

玲於くんに電話するのをどうしても渋ってしまっていたけれど

次の日、意を決して電話をかけてみる。

何から話そう……とりあえず謝らなきゃな。

…………………

prrr…prrr…

…………………

ひたすらに呼出音が鳴って応答なし。

結局玲於くんは電話に出ることはなかった。

きっと忙しいんだよね。

……もしくは避けられてる？

やっぱり嫌われちゃったかな……

*

モヤモヤしたまま引越しの日を迎える。

朝、マスターと奥さんがわざわざ家まで駆け付けてくれて

マ「元気でね」

『はい。お世話になりました』

奥さん「これ、よかったら食べて」

『わ！クッキー！ありがとうございます』

マ「何かあったらいつでも来てね」

『はい！あ、マスターにちょっと頼み事あるんですけど……』

マ「なに？」

『もし、お店に玲於くん来たら、これ、渡してもらえませんか？』

結局玲於くんとお話できなかったから
手紙を書いておいた。

まあ喫茶店にもいつ来るか分からないけど。

マ「わかったよ」

『すいません。ありがとうございます』

そうしてわたしは東京をあとにした。

知っているGENEの皆さんの
LINEをブロックしたり、連絡先も消した。

玲於くん直接謝れなくてごめんなさい。

大好きでした。

*