独り少女の小さな恋物語 （花より男子）

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「ちょっとつくしちゃん」

「んー？」

片手におにぎり片手に単語帳。
おまけに顔色悪い。

最近の彼女はずっとこんな感じだ。

「ご飯のときくらい勉強やめて休憩しなよ..。顔色悪いし」

「大丈夫大丈夫。バイトが休憩みたいなものだし」

「それ全然大丈夫じゃぁ…」

彼女の大丈夫 それは大丈夫ではない。確実に。
最近はお父さんが株に手をだしたとかなんとかで今までのバイトに加え、
深夜の工事バイトもしているらしい。

昼はずっとこんな調子だし、絶対大丈夫ではない。

のに



「バイト、テスト前だしもう少し減らしたら？」

「うん。 でも、あたしがしないとうちはいまピンチだから」

「だけど、 だけどさ、...つくしちゃんがそこまでする必要はないと思うんだ」

このままだとこの子は倒れてしまうのではないだろうか
そんなことさえ考えてしまう。


「ありがとうA。 …でも、今は頑張らなきゃ。 それに何かに集中することで
あいつのこと忘れられるような気がしてるんだ」

「つくしちゃん...」


あの後、いろいろあったらしく
滋さんと道明寺さんは付き合うことになったらしい。

さらっと彼女は言っていたが、ほんとはどんな気持ちでいたんだろう。

そう考えると胸が締め付けられるように痛くなる

「絶対、無理はしないでね」

「うん。 ありがとう」


つくしちゃんは少しだけ寂しそうな表情で笑った。

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