才能なんてないから(2)

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「そんな理由で部活見てるとか相当暇なんですね」

「まーた！Aはそういうこと言うー！」

日向が僕の前に出てきてほっぺたを膨らませている。その顔が僕にはウザったく思えて思い切りほっぺたをつまんだ

「ファンとか、そういうの要らないですから。生きてく上で必要ない」

「おつかれさまです」と僕はつげて部室を出ていった。

部室を出て、階段を降りると下で先程僕たちバレー部の蘭州を見ていた3人組が突っ立っていた

先程のスガさんの言葉を思い出し僕は少し眉をひそめる。

「あの！Aくん！」

僕はさっさと通り過ぎてしまおうと足を早くする。でも名前で呼ばれてしまったら止まるしかないだろう

「…なに？」

「これ！良かったら受け取って欲しいです！」

真ん中にたってる子が紙袋を僕に差し出してくる。前に1度だけ別の人から受け取ったら騒がになったことがある

またあんなふうになるのは面倒くさい。

「…ありがとう、でも、受け取ったこと他の人には言わないでね」

前は普通に断っれていただろう、でもなんだかせっかく渡してくれたのに突き返すなんてことできなかった

3人組はすごく顔を笑顔にさせて首を縦に振っている

「じゃ、じゃあね！」

そういい小走りで走っていく3人組を僕はただ無心で見ていた

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