WINDY ROAD (ページ3)

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和side

15にして一家の大黒柱となった俺は

族を抜けて、鳶職人の見習いとして働く事に。

鳶職人を選んだ理由は、こんな奴でも

簡単に入れそう、そんなてきとうな

理由だった。

今まで好き勝手にやってきた俺たちにとって

仕事と育児は想像を絶する辛さだった。

だけど、日々成長する翔の姿を見ると

二人とも｢また明日も頑張ろうね！｣って

笑い合った。

それなのに、あいつは何も言わず

姿を消した。翔が生まれて3年がたった

ある日の事だった。

大好きだった彼女がいなくなって、翔の事なんて

放ったらかしで何日も仕事が終わって探し回った。

そのかいあってか、街で彼女を見かけた。

知らない男の人と楽しそうに歩いてた。

｢お前、俺たちほったらかして何やってんだよ！裏切ってんなよ！｣

｢俺はともかく、なんで翔を置いていくんだよ！母親としてどうかと思うよ！｣

って声をかけてしまった。

すると、彼女は

｢かず…ごめんね。でもね、これだけは言わせて翔も連れて行くつもりだった、彼も許してくれてた。でも、翔は行かないって泣きわめいたの…だから。
和、これから翔の事よろしくお願いします！｣

俺は、言葉が出なかった。

淡々と事を説明していく彼女にちょっぴり

ひいちゃったんだ…たぶん。

そして、彼女に他の男がいた事

知らなかったのは、俺だけだったんだって

ひとり、取り残された気分になった。

その日の夜

和｢翔！ちょっときて！｣

翔｢ぱぱー！｣

和｢聞きたいことあるんだけど｣

翔｢なーにー｣

和｢なんで、ママと一緒に行かなかったの？｣

すると急に泣きだした。

翔｢だってぇ、しょーがいなくなったら
ぱぱひとりになっちゃうもん！｣

ってたったの3歳児が、言うんだ…

3歳がそんなこと言うのって、ドラマや映画

だけの事だと思ってた。

その言葉が嬉しくて、そんな事を言う

翔が愛おしくて、あ～こいつは何があっても

一生俺が守らなくちゃいけないんだ！って

改めて思わせてくれた。

この日から新たに始まった、俺と翔

男二人だけの生活。

仕事して、家事して、育児してって

大変過ぎるぐらい、大変だけど

職場の先輩や棟梁が助けてくれたりして

何とかやっていけてる。

さぁ、明日はどんな1日になるのか

楽しみ！