【RAB】時を紡ぐ、重ねてく。〈2〉 (ページ13)

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友へ。共に…〈とぅーし Side〉ページ13

「一位は…ネスでした！とぅーしの。」

ドラゴンの口から、俺が選んだ一位が告げられた。

今度は大きなどよめきが起こった。

皆の湧いている声を聞きながら、俺はドラゴンの手元を見つめたまま固まっていた。

というのも、実は、俺…

人前でデレるのが大の苦手なのだ。
特に、親しい同い年のような奴が相手だと。

それを、本人がいて、他の人もいる前でやっちゃったわけだから、もう恥ずかしさでこのまま消えてしまいたいくらいだった。

けど…

それを圧(お)してでも、俺は彼に
『お前が一番だよ』と伝えたかった。

お前は優しくて世話好きで、誰に劣ることのない熱いものを持っていて、人情味あふれていて。

一言では語り尽くせないたくさんの魅力を持ったこの友人に、
『ちゃんとお前を大切に想ってるヤツが近くにいるよ』
って伝えたかった。

その想いは、きっとネスに届いたと思う。
あんなに嬉しそうな、めったに見られないような喜びの笑顔を見せてくれたのだから。