May.75 ページ38
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「お待たせしました。ストロベリーパンケーキになります。」
店員さんがストロベリーパンケーキを持ってきた。ふわふわのメレンゲで作ったスフレパンケーキ。厚さ3cmのふわふわのパンケーキは口の中に放り込めば、すぐに溶けてなくなってしまう。
「んま〜♡あんずちゃんも1口食べなよ〜！あーん」
そう言って、あんずちゃんの口の中に突っ込めば、「美味しいです」と言って嬉しそう。私こそ嬉しいわ。
その後、すぐに神妙な顔になって「A先輩がプロデューサー辞めた理由って私ですか？」そう言った。
「…。なんでそう思うの」
「A先輩は才能があって、それでいてとても努力家で…！沢山のスタッフさんと知り合いで顔も広くて頼りにされてて、」
「…私があんずちゃんと比べられてたことを気にしてるの？」
「…！！」
そう、あんずちゃんがTricksterと一緒に学院の革命を成功させた時、たしかに私とあんずちゃんは比べられた。2年間しっかりプロデューサーとしてやってきたのに変えられなかった、むしろ飲み込まれた私に比べ、あんずちゃんは初めてのプロデュースであそこまでの偉業をなしとげた。比べられて、堕とされて当然だ。いや、
「むしろ、感謝してるよ。私には変えられなかった学院をあんずちゃんが救ってくれたんだから。本当にありがとう。」
「…！」
「だから、あんずちゃんのせいでプロデューサーを辞めたわけじゃないよ。そこは安心して欲しい。」
そう言えば、あんずちゃんはポロポロと涙を流しながら、「よかったです」と少し微笑んだ。
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パシャ
「…！？」
突然鳴り響くシャッター音に敏感に反応して周りを見渡すと、周りにはパンケーキの写真を撮っている人がちらほらといた。
…なんだ。気のせいか。
『いつもあなたのことを見ています』あの時書かれていた言葉を思い出して、ゾッとした。
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作者名：玲咲 | 作成日時：2021年5月1日 0時
