May.62 ページ25
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「ステージ上のこれと、これをなくせば、2winkのアクロバットは演出可能です。もう一度見直した方がいいかと。」
私の発言で、周りのスタッフさん方がザワつく。頷いている人もいれば、「そんなこと言ってはダメだ」と首を横に振っている人もいる。
近くにいた2winkの2人は、目を丸くして私を見ていた。
「はあ!?補佐の分際であたしに意見を言うわけ!?自分の身の程を弁えなさい!」
「…」
柏木は私を睨みつけては、私に意見を取り消すよう強要してくる。
……ありえない、頭きた
「…自分の身の程を弁えろ?それは、てめぇの方だろうが…!!確かにお前が最高責任者のプロデューサーかもしれないけどな、最高責任者だからって何したっていいわけじゃないんだよ!こんなの打ち合わせじゃない、ただの発表会だよ!」
席を立って、柏木の元に近づいて、机をダンっと叩いた。その拍子に柏木はビクッと肩を揺らした。
「なんだよ、この服、この髪の毛、このメイク。お前、本当にプロデューサーの自覚あるわけ?こっちはお遊びでやってる訳じゃないんだよ!あんたのわがままでライブをぶち壊したくないんだよ!」
「はあ!?あたしの案はライブを成功させるためのもので、この服装は私のオシャレ!あんたに文句言われる筋合いはないわ!」
「あんたはプロデューサーじゃない。ただのわがままお嬢様だ!」
「あ、あなたねぇ…!!あたしに楯突いたらどうなるか分かってるわけ!?お父様に言いつけて、あなたなんか社会的に殺してやるわよ…!」
柏木は私の胸ぐらを掴んだ。柏木は私より身長が低いから、引っ張られて態勢を崩しそうになった。他の方に聞こえないように柏木の耳元で囁く。
「…へぇ。そうやって、みんなのこと
そう言ってやれば、柏木がガタガタと震えて、私をふり離した。私は自分の襟を正して、「で、どうします?もう一度、話し合いますか?」と言えば、「え、ええ。そうね。もう1回話し合ってもいいと思うわ。」と言った。
この後、会議は滞りなく行われ、2winkのアクロバットは演出可能になった。
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作者名:玲咲 | 作成日時:2021年5月1日 0時