Bloody Connection 2【朔間零】

episode.55 ページ9

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「朔間さ〜ん！ここの問題教えて〜！」

「いいよ〜」







「朔間ー！おまえにしか頼めないことがあるんだけどさ〜」

「なになに〜？」








「朔間さん、やっぱり天才だよねー」

「…。ありがとう！」










モデル活動を初めて数ヶ月が経った。ありがたいことに多くの仕事に恵まれ、仕事の評判も好調だった。そのおかげもあってか、学校でも声をよくかけられるようになった。






「朔間さん、やっぱり凄いよー！美人さんだし、頭もいいし、モデル活動もすっごい順調なんでしょ！やっぱり持ってるものが違うよねー！！」

「そんなことないってばー！」








なんて、笑っておく。褒められることは嬉しいけれど、それを『天才』の一言で片付けられるのはちょっと、というか結構嫌だった。まるで、努力してないみたいな。






…でも、誰かの助けになるのなら、それもまたいいのかもしれない。







「朔間さーん！」

「なにー？今行くねー！」









＊







「ただいま〜…」







「おかえり」とリビングから顔を出したお父さん。その顔は、怒りというか、困ったような表情をしていた。






「A、今何時か分かっているかえ？」






そう怒りを抑えたような低音で言われる。もちろん、分かっている。門限をとっくに過ぎた19時すぎだ。






「お父さん、ごめんね！でも、ちゃんと連絡したでしょー！今日は遅れるかもって！今度から気をつけるから許して〜！」






そう言って両手を揃えてウインクを添えれば、お父さんは「仕方ない子じゃのう…」とため息をついて、「ご飯出来てるから鞄を置いたらすぐおいで」と優しく諭した。







…私だって、好きで遅く帰ってきてるわけじゃないんだよ。って言いたかったけれど、わざわざ言ってお父さんを困らせるぐらいなら言わなくていいかな、と口を噤んだ。






お父さんは私のことが心配で言ってくれているから。その気持ちを裏切る訳にはいかないじゃん？










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