episode.48 ページ2
.
「Aの居場所分かったの...！？」
そう言って、急いでやってきたのは凛月くんだった。走って探していたのであろう、汗で顔が火照っている凛月くんに零くんは水を差し出しながら、椅子に座るよう促した。
「とりあえず、お座り、凛月。夜ご飯でも食べながら話をしよう。」
コップ一杯を飲み干した凛月くんは俺の横の椅子に腰を下ろした。昔だったら考えられない、なんて思いながら、この3人でご飯を食べていることを不思議に思った。「いただきます」と手を合わせた凛月くんは急いでご飯を口に運んだ。恐らく、ご飯を食べる前に家を飛び出して、ずっと探していてお腹が空いているのだろう。
「それで、結論から言うと、Aの居場所は分かっておらぬ」
「は！？」
「え？なのに、なんで零くんはそんなに冷静なの！？」
「今の居場所は分からないが、数日後に現れるであろう場所に検討は付いておる」
「数日後...ってどういうこと？」と俺の声に反応して、零くんと目が合った。零くんはすぐ凛月くんに視線を変えて、
「凛月、13歳に行う儀式を覚えているかえ？」
「え？...うん、もちろん。『加冠の儀』の事だよね？あ、そういう事か」
この話は俺も聞いていい話なんだよね？零くん達のお家の話は詳しくは知らないし、知ろうとも思っていない。『復活祭』とかは俺も関わっちゃったことあるし、何となく知ってるけど。でも、零くんが俺の前で話すってことは聞いてもいいよってことなんだろうけど。
「そういうことじゃ。大人になるための儀式として、13歳の誕生日に『加冠の儀』というものが行われる。言わば、現代の『成人式』みたいなものじゃな。まあ、女の子の儀式の時は名前が少々変わるかもしれんがのう。
朔間家当主になるには、必ずこの儀式を通過しなければならない。朔間の者たちはAを頭首にしようとしているのじゃから、13歳の誕生日にこの儀式を行おうと考えているのは少し考えればわかる事じゃ。」
「まあ、決め手としてはAが朔間と言いかけていたことじゃな」と言った零くんは味噌汁を口に運んだ。
「まあ、その可能性が大きい気がするけど、それ以外の可能性も捨てきれないよね？」
凛月くんのその言葉に零くんは「ふむ。」と頷いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 448人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玲咲(プロフ) - おかゆさん» コメントありがとうございます！えええ、そんな勿体ないお言葉ありがとうございます…！めちゃくちゃ嬉しいです！！何度も読んでくださってありがとうございました(*´˘`*) (2022年11月23日 23時) (
レス) id: 27f192e968 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ(プロフ) - 初コメ失礼します。この作品とっても好きすぎて1日に何度も読み返してしまいました。今までこういう系の話を読んだりしていたのですが、この作品めちゃめちゃ泣くぐらい好きです。途中何度もうぅぅ……となりながら読んでいました。遅いでが完結おめでとうございます！ (2022年11月23日 21時) (レス) id: 4ef80cb4cb (このIDを非表示/違反報告)
玲咲(プロフ) - ねこかんさん» コメントありがとうございます！嬉しすぎて、10回コメント読み返しましたありがとうございます泣瑞希くんも好きになってくださってめちゃくちゃ嬉しいです！この作品書いて良かったと思えました。長い間お付き合い下さり本当にありがとうございました！ (2022年11月6日 11時) (レス) id: 27f192e968 (このIDを非表示/違反報告)
ねこかん - 時々感情移入しすぎて泣きました。神作品ありがとうございますこれは脳内に焼き付かれる作品だ最後に後世に語り継ぎます(語彙力なくなる系オタク)長文失礼しました (2022年11月6日 1時) (レス) id: 831f8c280b (このIDを非表示/違反報告)
ねこかん - 初コメ失礼します。お話が良すぎて、毎日2回は更新されてないか確認する日々でした…！！推しと親子のシチュでもう嬉しいのに、瑞希くんというオリキャラに惹かれまくって推しと同じぐらい好きになりました。もう瑞希くんとの恋愛メインでお話読みたいぐらい…！！！() (2022年11月6日 1時) (レス) @page50 id: 831f8c280b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玲咲 | 作成日時：2022年8月12日 13時
