61 ページ11
「違うよ」と少年に言ってみるが納得いかないという顔をされた。
「兄はいるけど、こんなかっこいい人じゃないから」と言ったら目の前の安室透が此方を凝視した。
見るなこっちを。
「でも」と言いたげな目を向ける少年に思わず苦笑いが溢れる。さて、どうしたものか。
「貴方のお兄さんはどういった人なんですか」
問いを投げかけてきたのはカウンター越しでにっこり笑う安室透。なんでアンタが聞くのかな。
「真面目な公務員ですよ」と返した。これ以上は言えない。言ったら目の前の人が絶対落ち込む。
そして面倒なことになるということは察しがつく。
目の前の男はもっとなんかあるだろうという期待に満ちた視線を送ってくるわけで、珈琲を啜りながらどうしたものかと頭を悩ませる。
「ねー、お姉さんは何のお仕事してるの?」
今度は私の方に的を絞ってきたか、残念ながら怪しまれるようなことは一切してない。
正直に「花屋でバイトしながら本書いてるよ」と答える。次にこの子はどういう本?と聞いてきた。
最近はミステリー系かな、この間賞貰ったし。
「え、お姉さんって意外とすごい人?」
失礼だなこの子供。以外も何も結構凄い人だよ。顔も名前も出してないけど、雑誌のインタビューとか受けたことあるんだぞ。
「何の本?」と聞かれたから「当ててみて」と返す。ムッとされたが珈琲をさっさと飲んでしまいたい。冷める。
「…自己紹介してくれたらヒントあげるよ」と言ったら少し間があった後口を開いた。
江戸川コナンだよ。と言われたから此方も名乗り返す。
「私は降谷A。本の方にはそのまま下の名前で活動してる」
それだけ言うと凄い勢いで此方の顔を見てきた。「本当?」と聞かれたから「本当」と答えると目をキラキラさせていた。
「もしかして本買った?」と聞いたら勢いよく頷いた。「何回も読み直した」と言ってくれた。めちゃ嬉しいな。
「オレ、特に三章の話が好きで最後まで犯人誰だってなったし、分かってても読んでて面白いから」
熱烈と本の感想を言ってくれてるがそろそろやめようか。お姉さん、羞恥心で死ぬ。
2790人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
寝子 - ええ、あ、続きは!? ずっと待ってるんですが (2月18日 21時) (レス) @page28 id: 57e090ea6a (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 続き待ってます (1月4日 10時) (レス) @page28 id: 964519cfd9 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (6月9日 0時) (レス) @page28 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 更新待ってます (5月25日 16時) (レス) id: 8ef7621f8b (このIDを非表示/違反報告)
わかめ - 続きが気になって仕方ないです!更新楽しみにしてます! (2022年9月20日 17時) (レス) id: 979aaf8679 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おふとん | 作成日時:2019年8月7日 1時