【サマーウォーズ】OZと現実 2 (ページ1)

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49話ページ1

紗奈｢佳主馬！｣

制止するのを無視してラブマシーンに向かって加速する

中央タワーを自らの1部として
正真正銘のOZの中心へと進化したラブマシーンが吼えた

新たな挑戦者に喜ぶかのように

雲を吹き飛ばし、OZ全体に激しいノイズを撒き散らした

カズマ｢おおおおおっ！｣

負けじと吼えるウサギ戦士にむかってラブマシーンが腕を持ち上げた

巨大な黒い腕がバラバラと分解し、何百何千何万というアバターとなって、キングカズマに向かって襲いかかる

紗奈｢や、やめて…｣

キングカズマの姿が、黒雲のようなアバターたちにのみこまれる

ラブマシーンによって操られたアバターの大群が通り過ぎた後に残されたのは
雑巾のように見る影もない姿に変わり果てたキングカズマだった。

だらりと両腕を垂らして宙を漂うウサギ戦士は、二度と動き出すことはなかった。

光に包まれ、ゆっくりとラブマシーンに引き寄せられる。

私は指1本も動かない
ぬ
ラブマシーンがぽっかりと口を開けた

光に包まれたキングカズマがその中へ吸い込まれ…

ｺﾞｸﾝ

呑み込まれる

巨大なラブマシーンの形態が変化していく

数秒後、勝利の雄叫びをあげるラブマシーンの頭部には
2本の長い耳が生まれていた。

ﾊﾞﾝｯ

健二は、佳主馬が力任せにキーボードを叩く音に、ビクリと肩を震わせた

佳主馬｢母さんを…妹を…守れなかった｣

聖美｢佳主馬｣

絶望する息子を見て、聖美が顔を伏せた
目元を抑え、典子や奈々と身を寄せ合う

紗奈｢佳主馬…｣

私は思わず佳主馬を抱きしめる

佳主馬は痛いくらい抱きしめる返す

万助が、むせび泣く佳主馬の頭をくしゃくしゃと撫でた

そこへ万作や頼彦たちも舞い戻り、親戚いちどうが沈痛な表情で黙り込む

モニターのなかでは、
キングカズマを呑み込んでさらに進化したラブマシーンが、敵無しの状態で暴れまわっていた