Scarlet Destiny～アズカバンの囚人～Ⅱ【ハリーポッター】 (ページ24)

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ルー｢ハリー、A、これから教える呪文は、非常に高度な魔法＿＿＿«守護霊の呪文(パトローナス・チャーム)»と呼ばれるものだ｣

ハ｢どんな力を持っているのですか？｣

ハリーは杖を持ちながらルーピン先生に聞いた。私は杖をクルクルと指で回しながら聞いていた

ルー｢守護霊(パトローナス)が出てきて、吸魂鬼(ディメンター)を祓ってくれる。いわば保護者のようなものだ。これが君達と吸魂鬼との間で盾になってくれる｣

『先生、守護霊ってどんな姿をしているのですか？』

ルー｢それを造り出す魔法使いによって、一つひとつ違うものになるんだ｣

ルーピン先生がそう言うとハリーは一歩前に出て言った

ハ｢どうやって造り出すのですか？｣

ルー｢呪文を唱えるんだ。何か一つ、一番幸せだった想い出を、渾身の力で思いつめた時、初めてその呪文が効く｣

私とハリーは幸せな想い出を辿ってみた。やっと、最初に箒を乗った時のあの瞬間だ、と決めた

｢『分かりました』｣

ルー｢呪文はこうだ。

エクスペクト・パトローナム(守護霊よ来たれ)｣

ルーピン先生は咳払いをしてから唱えた。私とハリーは小声で呪文を繰り返した。隣でハリーが何度も呪文を噛んでいて可愛いなって思いながら私もあの箒の初乗りの心に戻り呪文を唱えた

『エクスペクト・パトローナム』

すると杖の先から一条の銀色の煙のようなものが噴き出した

『先生！何か出てきた！見えましたか！？』

ルー｢あぁ！見えたよ！よく出来た、A！｣

ルーピン先生は優しく微笑み言い、ハリーは隣で｢凄いや！｣と笑いながら言った

ルー｢それじゃ＿＿＿＿吸魂鬼で練習してみてもいいかい？｣

『はい＿＿＿＿お願いします』

私は杖を固く握り締め、教室の真ん中へ進み出て、集中しようとすると何か別なものがしつこく入り込んでくる。＿＿＿＿ママの叫び声…それに私の甲高い意地悪く笑う声が頭の中で反響した

ルー｢A、準備はいいかい？＿＿＿＿いくよ！｣

ルーピン先生が箱の蓋を開けると、ゆらり、と吸魂鬼が箱の中から立ち上がった。身を刺すような寒気が私を襲った

『エクスペクト・パトローナム！』

私が叫ぶと杖から小さな蝙蝠が出てきて吸魂鬼を当ると、吸魂鬼は箱の中に怯えるように戻り、ルーピン先生が勢いよく、箱の蓋を閉めた