Scarlet Destiny～アズカバンの囚人～Ⅱ【ハリーポッター】 (ページ12)

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『ん～！おいし～！』

私はグビっと飲むとこんなに美味しいものは飲んだ事ないと実感した。体の芯から隅々まで暖まる心地だった

すると急に冷たい風が私達の髪を逆立てた。三本の箒のドアが開き、目を向けるとそこにはマクゴナガル先生とフリットウィック先生、ハグリッド、魔法省大臣のコーネリウス・ファッジが入ってきた

咄嗟にハーマイオニーとロンは私とハリーを同時にグイッとテーブルの下に押し込んだ

『うわっ！』

ハー｢しーっ！静かに！＿モビリアーブス(木よ動け)！｣

私達は椅子から滑り落ち、バタービールがこぼれそうになった。私が叫ぶとハーマイオニーはしっ！と私に言って呪文を唱えた

そばにあったクリスマスツリーが10センチぐらい浮き上がり、横にフワフワ漂って、私達のテーブルの真ん前にトンと軽い音を立てて隠した

ファ｢君にまた会えて嬉しいよ、ロスメルタのママさん。君も1杯やってくれ…｣

私とハリーは先生方の脚を見つめ息を潜めて聞いた

ロス｢まあ、大臣、光栄ですわ｣

ピカピカのハイヒールが元気よく遠ざかり、また戻ってくるのが見えた。私とハリーは心臓は喉の辺りで嫌な感じに動悸を打っていた

ロス｢それで大臣、どうしてこんな片田舎(かたいなか)にお出ましになりましたの？｣

ファ｢他でもない、シリウス・ブラックの件でね。ハロウィンの日に、学校で何が起こったかは、うすうす聞いているんだろうね？｣

ロス｢えぇ、確かに耳にしてますわ。ブラックがまだこの辺りにいるとお考えですの？｣

マダム・ロスメルタが囁くように言った

ファ｢間違いない｣

ロス｢吸魂鬼(ディメンター)が私のパブの中を探し回って、お客様が怖がってみんな出ていってしまいましたわ…商売上がったり下がったりですのよ？大臣｣

ファ｢ロスメルタのママさん。わたしだって君と同じで、連中が好きなわけじゃない｣

ファッジもバツ悪そうな声を出した

ロス｢わたし、まだ信じられないですわ…｣

ファ｢君は話の半分しか知らないんだよ、ロスメルタ。ブラックの最悪の仕業はあまり知られていない｣

ぶっきらぼうにファッジが言い、マダム・ロスメルタは好奇心で弾けそうな声で聞いた

ロス｢信じられませんわ。あれより悪いことってなんでしょう？｣