青に溺れる 2【ブルーロック】 (ページ29)

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drown075 ページ29

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「ね、他人の心配してる暇ないって言ったでしょう？」
「さか、さ、きさん……」

滝のような汗を流して床に這いつくばる潔さんの前で膝をつき、「どうぞ」と言ってスクイズに入った水を差し出した。

二次選考開始までの期間、地獄の身体機能トレーニングが始まって今日で3日目。2時間走、体幹トレーニング、ウェイトトレーニング、スプリント走。全てサッカーに必要なものが備わった、我ながらバランスの良いトレーニングと言えるだろう。まさか絵心さんの手によってここまで追い込む形にしてしまうとは思ってもいなかったが。

何を言われても文句を受け付けないようにしとこ、などと思いながら汗まみれのタオルを回収して新しいものを入れ替える。

「お疲れ様です。飲み物ここ置いておきますね」
「お〜、さんきゅ」

押してきた台車から人数分のスクイズを持ち上げ、たまたま近くにいた御影さんに声をかけた。

もちろん身体機能トレーニングが行われているのはチームZだけでは無い。残ったチームVとほか3チームのそれぞれの得点王にも実施されている。人数がぐん、と減って楽になるかと思えばそうでも無い。ハードなトレーニング故に消費も激しく、入れ替えや準備のスパンが非常に短いためもしかしたら今の方が忙しなく動き回っている可能性もある。

大変そうだと他人事に思いつつ、目が奪われる光景があったりする。

「凪さん、頑張ってますね」
「……ん。ね、タオル欲しい、かも」
「はい、どうぞ」

そう、あの面倒臭がりを体現した凪さんが真面目に練習しているのだ。きっとあの最終戦で初めての何かを掴んだのだろう。

タオルで汗を拭う様子を横目に見て、少し前じゃ考えられない今のその姿に少しだけ心がそわつく。