青に溺れる 2【ブルーロック】 (ページ28)

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drown074 ページ28

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その瞳が不思議な引力を放っているのか、潔は無意識下で引き込まれるように手を伸ばしていた。一体どれほど冷たいのか、それとも熱いのか。1度この手でその瞳に触れてみたいとゆっくり、ゆっくりと手を伸ばし、その手が自分の視界に映り込んでハッとした。

手を引っ込める。触れようとしていたその手を反対の手で包み込む。

「……なら、良かった。あんまり無理しないでね」

思いもよらぬ自身の行動に困惑しながらも、そう言葉をかけた。

潔の伸ばしかけて引っ込めたその手に首を傾げつつ、Aは「ありがとうございます。でも、潔さんは他人の心配なんてしてる暇ないですよ」と前髪の毛先を指先で撫でながらそう言った。

「詳しいことは私から言えませけど、この先にたくさんの試練が待ち構えていることは潔さん自身分かると思います。だからこそ何よりもサッカー優先で、世界一になることだけを考えてください」

そう言いながら彼女は1歩前に踏み出す。その1歩で突如縮まる距離にいは思わず息を飲んだ。その青い瞳は獲物を狙う肉食獣のように潔を見据え、爛々と輝いた。

「それ以外何も考えないで、何も気にしないでいい。皆さんがただ一つを見れるために、私はそのためにいるんだよ」

あまりにも真っ直ぐなその言葉に拳を握る。

「おう、サンキュな！他の奴らに負けてられねぇし」
「はい！その意気です」

彼女がそんなふうに言ったから。
彼女がそんなふうに見ていたから。

芽生え始めた確かな感情を丁寧にすくい上げて、自分でも忘れてしまいそうな、ずっとずっと奥底へとそっと閉じ込めた。