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me side
一通りの挨拶を終え公爵が食事を楽しんでいた頃、事件は起きた。
ブュッフェ形式の豪勢な食事が楽しめるエリアで突然女性の悲鳴が聞こえ、ザワザワと辺りの客たちが騒ぎ出したのだ。
『何かあったのでしょうか』
fa｢そのようだ。一度行ってみよう。ついてきてくれ｣
人混みを掻き分けテーブルの側へ行くと、一人の男性が倒れているのが見えた。δ国の人間ではない。パッと見の印象で招待客であることは確か。傍でわなわなと震えている女性を抱き締める男性には見覚えがある。…確かα国の大臣だ。
──嫌な予感がする
ファルス公爵が素早く医師を呼ぶ声を聞きながら、倒れた男性に駆け寄る。体勢を整えてから口を強制的に開き、喉を塞いでいる舌を取り出す。呼吸があることを確認してから、手を扇ぐようにして口の中の匂いを嗅いだ。
『…』
fa｢医者が来た。退きなさい｣
『はい』
素直に下がると、意気消沈していた女性が叫び声を上げた。どちらかと言えば金切り声に近いが。
｢毒よ！毒を盛られたんだわっ！δ国の仕業に違いない！！｣
発狂しながら叫び散らす女性は、きっと倒れた男性の夫人だろう。α国の大臣に支えられながら叫び続ける女性に、周りの人間が煽られていく。
｢本当か？δ国が？｣
｢平和を望むδ国がするはずがない｣
｢だが確かに彼は…｣
『…』
騒がしが増した会場に、流石のファルス公爵も焦り始めたようだ。詰め寄られる公爵がちらりと僕を見る。
｢……｣
どうにかしてくれ、と目が訴える。
とりあえずこの騒ぎを鎮めなければ。
『…失礼します』
｢ぁっ…！｣
音もなく忍び寄り、夫人と思われる女性の首に手刀をひとつ。びっくりした様子の男性に女性を預けて、すぅ、と息を吸った。
『…静粛にお願いします！！！』
途端に静まり返る会場。
好奇の目があちらこちらから向けられるが、構っている暇はなかった。
『先程倒れられました男性に関しましては、δ国が責任をもって治療させていただきます。原因が明らかになった場合には早急に皆様にお伝えし、余すことなくご説明させて頂く所存にあります。そのためにも一度皆様には控え室の方へ戻っていただき、事の顛末を待って頂きたいのですが、よろしいでしょうか？』
有無を言わさぬ口調で言い、抱えている男性に先程気絶させた女性の手当を頼む。ぞろぞろと会場から去る人々を見つめながら、ファルス公爵の元へと戻った。
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
