策士な彼の愛は重い【そらる】

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ダメだ、寝たことを流すはずが考え込んじゃってる。

あの日のことはなかったことにするんでしょ

自分がそらるにそう言ったくせに一番気にしてるのは私。



「彼氏とはどうなの？」



耳に飛び込んできた質問に驚いてそらるを見た。

そらるはそんな私の勢いに驚いてて「なに？」と顔を顰めてる。



「いや…今まで彼氏のこととか聞かなかったじゃん」



恋人が出来たことはお互い報告してたけど最近どうとか上手くいってるのとかそこまで深く話したことはなかった。



「気になったから」



あぁそうですか、マイペースはご健在。

私はあの日から調子が狂いまくりなのに



「別に順調…」



ではない。

けどそらるには言わない。別に言う必要が無い。


彼氏に早く結婚したい気持ちが伝わったのか距離を置かれてる。

もう自然消滅したのかと疑うほどだ。
あの人とは多分もうすぐ終わる。



「どんな人？」


「普通だよ、本当に普通の会社員」


「へぇーイケメン？」


「いや、普通」


「普通普通って、もっとなんかないの？」



……ない、かも。


正直会ってさなすぎて顔もぼんやりしてきてる。


歌と仕事に夢中になって彼氏の存在を忘れてた。

てか、そらるの方がよっぽど会ってるんだよなぁ



「その人のこと本当に好き？」


「……好きだよ」


「なんだよその間は」



問い詰めるみたいに顔を近づけてきて慌てて顔を逸らす。

だからなんでこんなに意識してんのって！



「おい逃げんな」



あ、気持ちいい

私の熱い頬をぺちんと挟んだそらるの冷たい手がすーっと私の熱を冷ましてくれる。


ふわふわとした黒髪と私を見つめる瞳





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