【短編集】氷上の王子と私【羽生結弦】 (ページ36)

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｢…｣

さっきからずっとメドベージェワと話してる結弦
しかも楽しそうに
白い歯を見せて笑ってる

メドベージェワは大好きだ
彼女は引退しても私に話しかけてくれて、屈託のない笑顔で貴方の滑り大好きよ!と伝えてくれた

私は今そんな彼女に嫉妬してる
いつもの結弦がメドベージェワの隣にいる
それだけでなんだか心が痛んだ

でも、そんなこと言ってられない
フィギュアの世界は広いし女子の方が多い
1人1人にそんなこと言ってられないし、その前に私はフィギュアスケートをやっている女の子はみんな大好きだ

もちろんメドベージェワも

『…っ』

まずい、会話を終えた結弦と目が合ってしまった
心が痛んでいながら結弦から目を話せなかったのも事実だ
思わずそらしてしまう

私、嫉妬してる?

ジェラシー感じちゃってる?
ジェラっちゃってる??

『…かっこわる』

私はリンクに背を向けてサイトに寄りかかり、結弦の練習が終わるまで一度もリンクを見なかった