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『ほら、こっち向いて』

「やだ」

『A』




急に艶っぽい声で私の名前を呼ぶから反射的に見てしまう
こうなればもう結弦のペースに呑まれていく




『尊敬するスケーターは何人もいるけど、誰かのために滑りたいって思う相手はAだけだよ』

「…知らない」

『スケートは大好き、でも同じくらいAも、Aの滑りも好きだよ』



ああ、この声で好きだなんて言わないで…
だんだん思考が溶かされていく




「…私も世界で一番結弦と結弦のスケートが好きだよ…」

『…反則』




上を見て顔を覆う結弦
何が反則?




『ねえA』

「何?」




まっすぐ私を見て名を呼ぶ結弦
ドキドキして心臓が潰れそう…







『ずっと僕だけの女神でいてね』



そんな甘い言葉が結弦から発されて
優しく微笑みながら抱きしめる力を強めるから

私もゆっくり溶けてくの



乙女の舞は永遠に結弦に捧げるよ

眠れない夜は→←.



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設定タグ:短編集 , 羽生結弦   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:星羽 | 作成日時:2018年2月20日 0時

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