愛しい ページ14
Aside
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翔が綺麗な字で書いてくれた同意書などの書類をミサトさんに渡した。
ベットに横になって家に居たときより間隔が短くなった陣痛に耐えていると、
当たり前のように腰をゆっくりとさすってくれる翔。
その手が暖かくて、ウトウトしていると翔が『ごめん。そろそろ２人を迎えに行かないとだわ…。』って。
A「もう、そんな時間か。
お迎えに行った後で良いんだけど、
まーくんのオムツと着替えとか取りに家に寄って欲しい。」
翔「了解！なるべく早く戻って来るからね。」
大きくて愛しい手のひらが頭を
《ポンポン》って撫でて病室を出て行った。
静かな病室には、時計の針が時間を刻む音がやけに大きく響いていて
寂しさが増した気さえする。
陣痛の波がまた来て……
やがて、静かに引いてゆく…。
お泊まりをお願いしていた義母さんに連絡をすると、
『子供たちも出産に立ち合えるなら、命の尊さを知れる良い機会じゃない。』と喜んでくれていた。
『生まれたら抱っこさせてね？』と本当に優しくて、良い人だなぁってしみじみ思った。
だからかな？
翔が当たり前にくれる優しさは、
きっと義母さんに与えられた愛だと思うんだ。
翔の実家に結婚の挨拶に行った時に義母さんは私に向けて、
『今まで娘のように思って接してきたけど、
これからも〈嫁・姑〉の関係ではなくて幼い頃からの変わらない関係で居て欲しい｡』
義母さんがくれたこの言葉が、
とても嬉しくて涙が止まらなかった｡
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作者名：莉乃 x他1人 | 作成日時：2017年8月23日 16時
