提案 ページ13
Aside
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受付を済ませて病室に移動しようとした時に
また陣痛がきて待合室のソファーに腰掛けて、
ゆっくりと呼吸を繰り返して陣痛をしのぐ。
ミサト「櫻井さん、LDRってご存知ですか？」
…LDR…。
A「何となく…。最近、妊婦さんの間で人気が高まっている出産の部屋ですよね？」
ミサト「さすが櫻井さん！
三度目の出産なだけありますね！
今その部屋が空いているんですよ。
双子の出産って事で大変な事や
体力も倍必要になってくると思うんですよね。
それで、陣痛の時から出産や産後ケアを
同じ部屋でじっくり行えるLDRで出産したらどうかと思いまして……。」
翔「…あのぉ……その部屋は子供たちも入室可能ですか？」
ミサト「はい、大丈夫ですよ！
家族の皆さんで新しい命を迎える家庭も増えていますから。」
翔「A、智と雅紀も一緒に双子の出産に立ち会わせないか？
これから一緒に育っていく弟たちなんだから。」
A「そうだね。良い機会だもんね！
ミサトさん、LDRで出産させて下さい！」
ミサト「はい！
全力でサポートしますので、一緒に頑張りましょうね！」
LDRの個室はとても広くて、
簡単な料理もできるようなコンロ付きの流し台や小さめの冷蔵庫。
ソファーやテーブルも置いてあった。
そして何より驚いたのは、
私が出産に使うベットだった。
今は普通のベットみたいに足の部分は閉じているのに出産の段階で足の部分を開いたり
頭の部分を上げたりとリクライニングみたいになる特殊な造りだった。
翔が出産同意書などのサインもしっかりしてくれるから、
毎回任せっぱなしだ。
荷物をロッカーに片付けたりしていると
翔は私の様子も見ながら、書類にも目を通していた。
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作者名：莉乃 x他1人 | 作成日時：2017年8月23日 16時
