【銀魂】【続】男装やめても一般人になれなかった件

第五十六訓 ページ8

「フッ…まァいい。せっかくこっちに蘇ってきたんだ、おめーも聞くがいい」


晋助がそう言う。


…え、何だ最初の“フッ”って。


明らかに鼻で笑ってたよねｺﾝﾁｸｼｮｳ


「俺はな、てめーらが国のためだァ仲間のためだァ剣をとった時も、そんなもんどうでもよかったのさ

考えてもみろ、その握った剣。コイツの使い方を教えてくれたのは誰だ？俺達に武士の道 生きる術、それらを教えてくれたのは誰だ？」



『………』


「俺達に生きる世界を与えてくれたのは、まぎれもねェ……松陽先生だ」



……。


頭に、松下村塾の頃の思い出が浮かぶ。



「なのにこの世界は、俺達からあの人を奪った。だったら俺達はこの世界に喧嘩を売るしかあるめェ

あの人を奪ったこの世界を、ブッ潰すしかあるめーよ」


…そんな。









…まさか、晋助が松陽先生好きすぎてマザコンみたいになってるとは…！


ほら、アレだよアレ。

“ママはどこ？ママがいないよぉ、うわーん！俺、ママのいない世界では生きていけないうわーん！”…的な感じの。

…あ、待ってそう言って駄々こねてる晋助の姿を想像したら笑えてきた。


必死に顔を引き締める。



「…なァ、お前らはこの世界で何を思って生きる？どうしてのうのうと生きていける？」


…そんなこと言われても。


「俺は そいつが腹立だしくてならねェ」


だって。


…松陽先生が救ってくれたこの命。


松陽先生が犠牲になってまで助けてくれたこの命。


…無駄にはしたくないから。



「…俺とて何度この世界を更地に変えてやろうかと思ったかしれぬ。

…だが、やつが…一番この世界を憎んでいるはずの銀時が耐えているのに、俺達に何ができる」


…全くその通りです。



「俺にはこの国は壊せん。

壊すには…江戸(ここ)には大事なものができすぎた」


…右に同じでごぜーます。



「他に方法があるはずだ。犠牲を出さずともこの国を変える方法が。松陽先生もきっとそれを望ん…」


「キヒヒ 桂だァ」


…すると、上から声が聞こえてきた。


「ホントに桂だァ〜」

「引っ込んでろアレは俺の獲物だ」



…豚と猿の頭した天人がこちらを見て…ていうか小太郎を見てそう喋っていた。


「ヅラァ、お前以前銀時と一緒にあの春雨相手にやらかしたじゃねーか」


…春雨？


春雨相手にやらかしたって…どゆこと？

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