桜色Memories2【黒子のバスケ】

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宮「下ばっか向いてんじゃねぇよ！！」


貴『！？は、はい！』



コートについていきなり言われた言葉だった。


そんなに下を向いていたつもりは無かったけれど

気付かぬうちにそういう風にしていたそうで

皆こっちを見ていた。




高「あっれー？Aちゃん、緊張してんのー？？」


貴『緊張するに決まってんでしょ』




少しニヤケ顔でそう言ってきた高尾は

私よりもさらに緊張しているに違いない。


あの赤司のマークだ

緊張しないわけが無い。




緑「A」


貴『なに？真ちゃん』


緑「…赤司に言われたことを気にしているのか？」




私にそう聞いてきた真ちゃんの顔は

どこか悲しそうで、思わず目を逸らしてしまった。


気にしていないと言ったら嘘になるが

ここで言って皆の気を紛らわせるようなことをするのは違うだろう。



貴『別に、気にしてないよ』


緑「…お前は顔に出るから分かりやすいのだよ」



でも、こうやって隠しても

真ちゃんには結局バレる。幼馴染だからかな？



緑「1人で溜め込むのはお前の悪い癖だ

だから帝光のマネージャーも辞めたのだろう

誰かに言っていたら続けていたものを…」


貴『それができなかったから辞めたのよ』


緑「それは今もか？」


貴『！』




今も…前と同じように……


このままだったら前みたいになる？

前は、周りに誰もいなかったから


真ちゃんを含めた5人はもちろん

さつきにも、とても言えるような状況ではなかった。


今も…そんな状況？



ふと上げた目線


全員と合った瞳


どこか不安気なみんなの表情




貴『今もだったらとっくに辞めてるよ…マネージャー』



今が昔と同じなわけない


あんなに私を信頼してくれて

時には心配してくれて…



"宝の持ち腐れ"



赤司のあの言葉


瞳



それだけでこんなに揺らいだ自分が情けない。




大「戻ったな…いつもの表情に」


木「心配させんなよ」


宮「お前は俺らのこと応援してりゃいいんだよ」


高「Aちゃんいるだけで華が咲くよねぇー」


緑「A、誰に何を言われても揺らぐな









.









.









.









.









.









お前の居場所は秀徳(ここ)なのだよ」


貴『…うん、ありがとう皆』




コートに入るみんなの背中は


いつもより大きく見えた。





全「「「「よろしくお願いします！」」」」




いよいよ始まる準決勝。

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