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言われるがままに近場の桜が咲いている場所に来てしまった
整備された湖がそばにあり、人影もちらほらと見える
実弥は俯いている
「実弥？大丈夫？」
「気持ち悪ィ…」
「まって今水買ってくる！」
私は彼が中身を吐き出さない前に走って近くの店で水を買いに走る
だが、そこでは伏兵が待ち構えていた
「ねぇ、お姉さんかわいいね〜」
「俺らと一緒にこない？」
「すみません急いでるんで」
「ちょ待てよ」
無理やり腕を掴まれる
一応、鬼殺隊の隊員としては普通の人間に体術は使うつもりはないし
そもそも隊律違反に障る
「あんたら、そろそろ…」
「おいお前ら、なにしてんだァ」
鬱陶しい声に苛立って強制退場させようかと思ったら、当然のごとく立ちはだかった実弥がいた
彼の強靭な肉体を見るや否や「ひぃ、すいませんでしたぁ！」と去っていく
「なに捕まってんだよ」
「実弥だってさっき囲まれてたじゃん」
「お前以外興味ねェよ」
恥ずかしさで居た堪れない気持ちになる
「はい、水」
「ありがとよォ」
「なんで酔ってるの？」
「酔ってねぇし、気分で飲んでただけだァ」
それにしては顔が真っ赤だし、足取りもフラフラしているし
なんだか可愛い。
「好きな女くらい、守らせろよな」
「え、」
「なんでもねぇよ、クソっ、変なこと言った」
実弥はそのまま私の手を引いて来た道を戻る
「ふふっ、いつもありがとう｣
「お前、わかってんのかァ？」
「なにが？」
「さっきみたいのにもう捕まんじゃねぇよ、心配するだろうがァ」
実弥は掴んでいた手を自分の元へ引き寄せ、腰を抱く
「実弥」
「なんだよ」
「無理はしないで、私の前で強がらないで」
「いきなりなんなんだよ」
「たまには私を頼ってよ」
強い貴方は素敵だけれど
強がる貴方は好きじゃない。
「A」
「な、なに」
「毎日、俺をぎゅってしてくれ」
眉を下げながら心配そうに尋ねる彼に、私は手を伸ばして抱きしめていた
「毎日、抱きしめてあげるよ」
実弥は堪能するように私の頭に鼻を擦り寄せ、愛おしそうに指で髪の毛をいじる
「あぁ、それで満足だァ」
少しの不安に、少しの安穏を
それで十分なのだと。
花見というより、花が私達を見守るという変な空気になったが
私の幸せは、始まったばかりだ。
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廣岡唯 - しのぶさん愛しているぞ村田さん大好きだ (2023年4月2日 15時) (
レス) @page17 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
黒犬(プロフ) - kanaさん» はじめまして！こちらこそお読み下さりありがとうございます！きゅんきゅんしてくれて嬉しいです(*´`)最後の村田にこれからも癒されちゃってください！ (2021年9月1日 21時) (レス) id: 43c30b8faa (このIDを非表示/違反報告)
黒犬(プロフ) - ぱーむくーへんさん» お粗末さまです！拙い文章をお読み下さりありがとうございました(*´`) (2021年9月1日 21時) (レス) id: 43c30b8faa (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - 初めまして！^^*完結おめでとうございます！(*´-`*)どのお話もキュンキュンしました(/ω＼*)最後の村田さん,イケメンすぎました！(/// ^///) (2021年4月26日 22時) (レス) id: d202a80bf0 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーむくーへん - 村田さぁぁぁぁん！！！イケメンが過ぎる。しゅきってなりましたありがとうございますごちそうさまでした (2021年4月17日 15時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒犬×96 | 作成日時：2020年3月19日 21時
