酔った彼氏の本音【鬼滅の刃】【短編集】

時透無一郎ー甘えん坊将軍 ページ19

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私の彼氏はすぐにいろんなことを忘れる

正確に言えば、戦いに関して以外でだ




人や物の名前、用事や約束事も忘れやすくて困る。そんな中で私を認識してくれているのは嬉しいが…




そんな考え事を、友人の炭治郎によく相談する







「炭治郎、今日も始めるよ」
「あぁ、任せてくれ！」






題して「増やせ容量！減らせ忘れ物！」だ。

ここは私の家であり、いつも炭治郎と二人で討論を重ねている

予め用意しておいた紙に、お題を書く。







「今回はこの議題について討論しようと思う、海外ではディベートという。」

「その「でぃべーと」がなんなのかわからないが、頑張ろう！」







「頑張ろう」と二人で叫びながら少し痛めの握手をする。





「まず、どうしたら無一郎の容量を増やせるか」
「うーん、魚を食べる？」


「なぜ魚？」
「魚食べると頭が良くなるんだぞ！」


「立論がそんな曖昧な理由をあげてどうする、質疑応答や反駁でフルボッコだぞ！」

「意味がわからない！」





だが、先週から続けているが未だに結論は出ない





「ねぇ、2人揃って何してるの？」
「あ。」




討論に夢中になっていたせいか、完全に気配を消しきっていた無一郎がいきなり私たちの顔を覗き込む








「時透くん！実は今…」
「わー！炭治郎言うなバカ！」







私が慌てて炭治郎の口を塞ぐと、明らかに無一郎の表情が暗くなっていく







「炭治郎、Aがごめんね、帰っていいからね」

「そんなことないぞ！Aにはいつも世話になっているから！」




「へー、世話に、ね。いったいどんな世話してたのかなー」







炭治郎の無意識的な煽り言葉に彼の怒りを誘い、無一郎の顔には血管が浮き出ている



炭治郎に悪気がなくて唯一理性が働く所なのが幸いだ



「俺は善逸と約束があるから、Aまたな！」と去っていった炭治郎、ぶっ飛ばしてやろうと思った。









「さて、白昼堂々浮気するとか、Aいい度胸だね。」

「いや、あの、違くてですね」








どうやって誤解を解こうかと思ったら、ふとお酒の匂いが鼻をかすめる

もしかして、もしかしなくても








「無一郎、酒飲んだ？」
「飲んだけどそれが何？」







酔っ払ってさらにめんどくさい感じになっている。

いや今はそれどころではない









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