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月は、笑うか ページ13

.



『ちょ、ちょっと!』



ぐいぐいと彼女の腕を引く


後ろで煩わしく喚いているのに目もくれず



行き先も決まっていないのにただ歩く





気に食わなかった。


自分には見せないあの顔を

よりにもよってあの野郎なんかに見せるなんて




はたりと立ち止まる。


背中に軽い衝撃と共に感じたのは自分の中にある苦い想い




『ねぇ、どうしたの』




好敵手(ライバル)だと言うのに優しくするのはプロデューサーとしての責務があるからだろう


一度抱いてしまった感情は波紋のように広がっていき戻ることを知らない



あぁ、どうかどうか。


一個人として、水宮Aとして見ておくれ



我輩を、そして、俺を。



零のすらりと長い指がAの頬に伸びる

伏し目がちな瞳からはその表情を読み取ることが出来ない





もし____あの時、





「気づいて、もらえてたらな」


『…え?』



すっと離れ、消毒するかのように頭を撫でた


口を開けたまま呆然とする彼女にくつくつと笑えばまた別の感情がゆらゆらと揺らめく


すっかり機嫌を取り戻した零は部室へと足を向け直す


後ろでまた同じく騒いでいる子猫の鳴き声を聞きながら



「…ま、根暗ヤロ〜に気づかれたのは癪だったがな」



零はその赤い唇を三日月のようにし、またくつくつと笑った








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それすらも愛おしい→←甘く苦く嫉妬の雨



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多趣味のM(プロフ) - え、続きはないんですか??めっちゃ気になります (2021年9月5日 11時) (レス) id: f8e0dd5819 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイスてぃー。 | 作成日時:2019年4月5日 21時

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