甘く苦く嫉妬の雨 ページ12
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『ほわっ…と、』
「おや、Aちゃん」
プリントに気を取られすぎて
角から出てきた人にぶつかってしまった
あーあ、この人が凛月くんだったらよかったのに
「ふふ、凛月くんだったらな〜って思ってる?」
『え、なんでバレたの?』
「分かりやすいよね、Aちゃん」
私より少しクリーム色の髪
初めて見た時、天使みたいだなと思った
中身の腹黒さは抜きにしてね
「あ、そうそう。この間スコーンありがとう。
とてもおいしかったよ」
『そう言ってもらって嬉しいよ。
でも凛月くんのお菓子とかで舌が肥えてるんじゃない?』
「拗ねているのかい?大丈夫。どっちのお菓子も僕は大好きだからさ」
子どもを宥めるかのように優しく
微笑みながら頭を撫でる
別にヤキモチ妬いてるわけじゃないけど
いろんな人に撫でられるから慣れちゃった。
慣れって怖い。
「A」
グイッと腕をひかれる
バランスを崩し、腕を引っ張った張本人に寄りかかってしまう
あ、この匂い。凛月くんと似た匂い。
上を向けば赤い瞳が天使を睨んでいる
もう。ちょっと、なにを笑ってるの。英智。
「朔間くんも、分かりやすいよね」
なんて、おどけたように言わないでよ
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多趣味のM(プロフ) - え、続きはないんですか??めっちゃ気になります (2021年9月5日 11時) (レス) id: f8e0dd5819 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アイスてぃー。 | 作成日時:2019年4月5日 21時