殺しのロンド ページ22
"トン"
その時、頭の上で鳴った軽快な音に
僕の意識はお花畑へ行く前に現実に引き戻された。
思わず顔を上げると、僕がさっき開けて入って来た扉に、回転しながら飛んで来たナイフの柄がぶつかって、凄いスピードのまま二人の方へ戻って行く……という信じられない光景が目に入った。
なんだ、今の……?!
まさかあの二人は、ナイフが扉で跳ね返る事を計算して投げたっていうのか?!
そんな、ありえない!
しかも2本のナイフは、まるで吸い寄せられるように二人の首に向かって飛んで行く。
危ない!
リーフさん、シャーロックさん!
これは命中コースだよ!
それなのに二人は微動だにせず、目と目を合わせたままナイフを見ようともしない。避けようともしない。
首は急所だ。
ナイフなんて刺さったらひとたまりもないのに……!
まさか、まさか、このまま二人とも死……
悲惨な未来を想像して僕が吐きそうになった時、二人は緩やかに片手だけを動かしてナイフを捕まえた。
しかも、何事も無かったかのように悠然としている。
「同じコースだったのか。」
「気が合うね。」
「全くだ。」
シャーロックさんは捕らえたナイフを掌でこねくりまわし、リーフさんはすっと目を細めた。
「やっぱり君はいつも一筋縄じゃいかないな。フフ、楽しませてくれる。」
「そうかい。じゃ、第二ラウンドと行こうか。」
待って、待って!
もう十分だよ!おしまいにしてよ!
僕は急いで、立ち上がり二人を止めようとした。
もしくはダイニングルームからキッチンに逃げようとした。
…"した"だけで、現実は……。
足に力が入らず一歩もその場から動けなかった。
そして、再び銀の光が踊り出した。
今度はさっきのナイフだけじゃないらしい。
フォークもある。もっと鋭い感じのナイフ(もしかして二人の私物?)もある。無数の金属が、空中を縦横無尽に飛び交っている。
リーフさんとシャーロックさんも、テーブルの周りで踊り出した。
ひらり、ひらりと身を
凶器は壁に刺さらず跳ね返り、二人の体を追いかける。急所にギリギリまで接近するのに、カスリもしないのが不思議だった。
「まだまだだな、コノハヅキ。」
「君こそ。いつものキレはどうしたんだ?」
時折挟まれる軽口でさえも、低く殺気に満ちていて……
それは危険で美しい、殺しの
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シャーロック - 木の葉月さん» うん、お休み〜また明日ね! (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)
木の葉月(プロフ) - シャーロックさん» 全然美人じゃ無いっすよ。ちょっと風呂入って来るんで、また明日話そ。 (2021年4月7日 23時) (レス) id: ac1426199a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック - 木の葉月さん» うわ、結構時間掛かるのね。コノハヅキはびじんだろーな〜 (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)
木の葉月(プロフ) - シャーロックさん» へへっ!30分前くらいに帰ってきたで (2021年4月7日 23時) (レス) id: ac1426199a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック - 木の葉月さん» おお、お疲れ様〜! (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木の葉月&シャーロック x他2人 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sherlock_rio?s=21
作成日時:2020年10月3日 18時