7話 ページ9
『……それにしても、すごく綺麗ですね』
穏やかな春風に乗って此方へ飛んでくる華やかな花の香りに、ゆっくりと瞳を閉じた。
優しく頬を撫でるその風が心地良い。
叶「……ねえAちゃん」
『!……はい?』
叶「僕さ、前からAちゃんの事気になってたんだよね。だから今日来てくれてすごい嬉しかった」
『気になって……とは?』
叶「え〜?秘密‼︎」
『は、はぁ…』
明らかに、叶様の態度がどんどん柔らかくなっている…何故だろうか
応接室の時はA様だったのに、今さっきはAちゃん。
中庭に案内するという目的で繋いだと思っていた手も、未だに繋がれたまま。
叶「……」
『…叶様……?』
叶「”あの時”から、ずっとずっと気になってたんだ……やっと、手に入る」
『やっと?』
叶「…ううん、何でもないよ。こっちの話」
『そうですか』
「あの時」が何時のことかは分からないけれど、何故か聞いてはいけない気がして、そのまま言葉を飲み込んだ。
叶「あ!あそこにいるの…甲斐田くんかな?」
『?』
叶「お〜い、……甲斐田アァァ‼︎」
甲斐田「うわっっ……叶さん?」
叶様が呼びかけた方から小走りでやってきたのは、ローズグレイの髪の和風の服装をした男性だった。甲斐田って……あの有名な研究者の方だろうか
甲斐田「どうしたんで………わ、めっちゃ綺麗な人…」
叶「a国の参謀長さんだよ」
『どうも』
甲斐田「……え⁇」
叶「指示きてたでしょ、応接室には近付かないでって」
甲斐田「そんな気がしなくもないけど……」
『甲斐田様…でしたか。
お初にお目にかかります、私はa国参謀長のAと申します。』
甲斐田「え、あ、甲斐田晴です…2j3j国の専属研究員をしています。」
頭を下げながら自己紹介をすると、同じように頭を下げてくださる甲斐田様。
元々腰が低い性格なのだろうか、私が頭を下げた瞬間一気に慌て始めた。
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猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - りょーーさん» そんな気に入ってくださるなんて…😭ありがとうございます、とても励みになります!! (4月4日 19時) (レス) id: 278cf1e01e (このIDを非表示/違反報告)
りょーー - 最近この界隈ハマったばかりなんですが、設定と世界観が癖すぎて…辛いです……これからもずっと応援してます!! (4月3日 23時) (レス) id: f52fe25127 (このIDを非表示/違反報告)
猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - Upa丸さん» こういうシンプルな声援も良いんだよな……真っ直ぐなその気持ち、めっちゃ沁みました!更新頑張ります! (12月20日 20時) (レス) id: a7af9d7ebe (このIDを非表示/違反報告)
Upa丸(プロフ) - 本当に大好きですーーー!これからも無理せず活動頑張ってください!! (12月20日 19時) (レス) @page39 id: 3c4a854e64 (このIDを非表示/違反報告)
猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - ??さん» ありがとうございます!頑張ります! (12月10日 18時) (レス) id: 6ee307290c (このIDを非表示/違反報告)
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