好きなのに。【狗巻棘】《完結》 (ページ3)

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２話ページ3

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「てことだから仲良くしてあげてね～」

先生が教室から出ると、皆が私の元にやってきた。

「俺、虎杖悠二！

えっと、……A、でいい？」

『はい、呼び捨てでいいですよ』

「……伏黒恵。

別に菅宮の将来のことなんて口出ししないから気にするな」

『……伏黒君は皆さんのことを苗字で呼ぶのですか？』

「え、……ああ、そうだ」

『そうですか、ですから苗字で呼ぶんですね。

いえ、なんでもないです』

苗字で呼ばれるのは嫌い。

でも、初対面で文句は言えないし。

我慢するしかないみたい。

「釘崎野薔薇よ。

女の子の同級生が来るって聞いてたから、ワクワクしてたのよ。

よろしく頼むわね」

『……私も女の子の同級生がいて心強いです。

よろしくお願いしますね』

「「「あの、……」」」

『……、？』

「敬語外していいぜ？」

「堅苦しいわ」

「話しにくい」

『……えっ、』

家柄で敬語を外すなんてなかったから、……。

『……悪いですよ、』

とっても嬉しい。

野薔薇「良いのよ、私たち友達になるんだから」

『でも、……』

……友達。

私に友達できたよ、母さん、父さん。

私だけ孤立すると思ってたのに。

政治は好ましくないけど。

やる気がない呪術師も良いのかもしれない。

『……～～ッ、』

呼びたい、悠二君、野薔薇ちゃん、恵君って。

でも、私の母の言葉が頭によぎる。

＂迷惑はお掛けになってはいけませんよ＂

＿＿＿＿＿迷惑になってしまうんじゃ…。

「迷惑だなんて思わねぇよ？」

「何が迷惑になるのよ、」

「お前ってアホなんだな、」

「「おいゴラァ伏黒ッ！！」」

「……なんだよ」

『……ふふ、ありがと、』

確かに迷惑になったらその時だ。

私の道は私で決める。

「僕の出番は無しみたいだね、」

「やっと笑ったわね、」

え、私笑ってたよね？？

「確かに」

「ずっと作り笑い感あったもんな」

『……ごめん、慣れちゃったから、』

「それなら、本物の笑顔に慣れればいいのよ、」

そう言って野薔薇ちゃんは私に不思議な＂魔法＂を掛けたのだった。

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