2 ページ21
「……よいしょ」
「…おい、何してる」
「んー?勇吾が一人で眠れないっていうから添い寝してあげようと思って」
「気持ち悪い事を言うな、頼んでない」
「はいはい、俺も早いんだから寝るよ」
文句を言う勇吾は無視をして隣に並んで目を閉じる。
そうすれば隣からは重苦しいため息が聞こえ、やがて諦めたのか眠る体勢になったようだ。
気配で確認してゆっくりと意識を手放し、次に目が覚めた時には勇吾は俺を抱きしめながら震えていた。
「ゆ…ご…?」
「っ…」
「…いいよ、そのままで」
すぐに離れようとする身体を引き寄せて、宥めるように背中を撫で始めた。
「…怖いものは、怖いよな……」
「……」
「俺には…あの二日間勇吾が…、どれだけ怖い思いをしたか分かってやれない」
「……」
「双子なのに…お前の事なら何だって知ってるのに…一番知りたい事が分からない。…っ……悔しい」
大切な家族が20年ずっと苦しんでいるのを、一番近くで見ているのに何の力にもなれていないことが、とても悔しくて歯痒くて…。
いつもわがまま言いたい放題の癖に本当に辛い時は何も言ってくれない…兄の事が心配で堪らなくて…。
だんだんと涙が滲んで、泣きたいのは勇吾なのに…俺は涙を抑える事ができなかった。
「……っ……ひっく…」
「…馬鹿だな…何でお前が泣くんだよ」
「だって……だって勇吾が…」
「……」
「勇吾が、泣かないから…っ…」
自分だったら耐えられない。
きっと冷静じゃいられない。
トラウマが酷くて、とても社会に出て人と関わるなんてできないだろう。
だから、ちゃんと仕事をして外の世界と関わりを持っている勇吾がすごいなと思う反面、無理をしているんじゃないかって…
だから……
「…ふっ、泣く必要なんてないだろ。
俺には…いつも側に引っ付いてくる奴が二人もいるんだから」
だからこんな風に笑ってくれると、俺は嬉しくていつも…涙が出そうになるんだ。
756人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絢音(プロフ) - みぃちゃんさん» あら、どなたかと思えば…!宏光くんの双子に対する溢れんばかりの愛情を感じ取ってもらえてとても嬉しく思います♪えへへ…私も、双子を幸せにしたい一心で連載やってますから…!みぃちゃん、いつもいつもありがとうね(*´艸`*) (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 大好きな宏光くんに誕生日を触れてもらえるのを今か今かとそわそわする双子は何とも愛らしいですね…!圭吾は宏光に恋愛感情は抱いていないけど、大好きで大好きで仕方ないんです(^^)ぎゅってして…って、躊躇いがちにおねだりする圭吾たんを私が抱きしめたくなります! (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - 太ちゃん誕生日おめでとう♪双子ちゃんと宏光にはいつもほっこりさせて頂いてます(*^^*)勇吾に愛を伝える所、圭吾をぎゅっとしてあげる所にはホロっとしました(´;ω;`)絢音ちゃんの二人に対する愛も感じがしました♪ここでは初コメ!少し緊張しました( ̄▽ ̄;) (2019年6月26日 9時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ♪ヽ(´▽`)/こちらでもはっぴぃばーすでぃ(≧▽≦)圭吾のしてほことも聞いたげるシーンのそれぞれの表情に感動しちゃいました(´;ω;`)物凄く癒されております…( 〃▽〃)最初にふたりがソワソワしてるとこも可愛かったです(*/∀\*) (2019年6月26日 6時) (レス) id: 38544530dd (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 可愛い生き物がベッドにいたら無条件に癒されますね!ふふ、小ちゃいのにおっきい…。そう、みっくんはおっきいのです!笑 (2019年6月25日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:絢音 | 作成日時:2019年5月26日 0時